2月12日〜3月18日
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★2月12日
和ちゃんの入れ歯を殺菌して磨いてきた。そして和ちゃんの口の中に納める。
和ちゃんの入れ歯。最初は汚くて汚くて。そして気持ち悪かった。でも不思議なものだ。今ではオレ自身の口の中に入れてもなんとも思わない。
そして今朝、和ちゃんのお尻をキレイにした。今朝もウンコ放出。和ちゃんにはウンコが出たら声を出すようトイレへ行く前に伝えておいた。時間が長い。すると、
「ウンコ出たよー」
行くとしっかり肛門を拭いている。もう少しペーパーを厚く使用して欲しいんだけど、難しいことは言わない。和ちゃんが拭き終わり、改めてオレが殺菌フォームでフキフキ。
和ちゃんの右手を嗅ぐ。やはり少し臭う。即、手洗い。よかったよかった。
昨日あれだけ荒れたのに、今朝は長閑だ。オレたちの一日々々は、本当に新たな一日が始まる。

PS
和ちゃんが下痢。トイレでチビチビ出たのを拭いてやっていると突然プチッ。オレの前頭部に直撃。その後も部屋で脚などをタオルで拭いているとポトッ。オレの敷き布団と畳みの上に。それを踏んで歩く。手でも肛門を触る。オレは両手を縛った。
オヤジを介護している時に自己嫌悪から涙したことがある。今日は情けなくて情けなくて涙がでた。和ちゃんの脚には痣ができている。疲れた。
和ちゃんに際だって変わりはない。オレは疲れた。心身共に。今週は日記から解放されます。
ところで、日本インターネット新聞社でオレと和ちゃんの連載企画がはじまります。アドレスは以下。2月12日の午前11時にはアップされているとのことです。
http://www.janjan.jp/index.php

★2月15日
昨年大晦日のボブサップvs曙戦での曙の轟沈ではないけれど、オレもマット、いや違う、畳上にウンチの直撃でダウン。脚にはきているけれど、曙のようにKO負けするわけにはいかない。今日、オレはとりあえず立ち上がった。この1年7ヶ月の介護がボディブローのようにジワジワ効いているので万全にはほど遠いのだけれど。こんな比喩・表現をしているけれど、オレはささやかながらプロボクシングの四回戦ボクサー、つまりC級ライセンス取得者。約28年前、後楽園ホールでプロテストを受けた。試合はしなかったけど。嗚呼!! なんか昔が懐かしい。
今、和ちゃんはビニール袋をたたんでいる。あれから下痢はなく、昨日、ウンコを一つ落とした。下痢は困るなあ。自分では、少量のビチピチは意識出来ないらしい。以前にも確かにあったけど、たまらん。
パンツに付着したウンコの色が落ちない。手洗いもかなりして洗濯機に入れたけど、名残がある。で、デイサービス・和みのときの北の迫さんにパンツ二枚を購入してもらった。和ちゃんのパンツだけが増えていく。オレのパンツなんかまともなのがない。もっとも、オレのパンツをジックリ観察してくれる女性もいないから構わないんだけど。ゴムなんか伸びきり。
あーーーあ。しかし疲れる。でもなあ、和ちゃんを好きでたまらないオレがいるのも事実で、今のところ戦線離脱は思考の外だ。

★2月16日


イラスト:かわもときょうこ
Photo :Hideto Hachiya by携帯Tel



恭子ちゃんへ。

はじめまして。
おとうさんのおともだちの、のだのおじさん、です。
バレンタインのチョコレート。ありがとうございました。もったいないので、れいぞうこにいれています。
それから、おじさんのにがおえ、スッゴクそっくりでビックリしました。恭子ちゃんは、絵がとてもじょうずなんですね。
しゃしんでとったのをいま、みているとおもうんだけど、もっとあかるくてきれいなのにね。うまくとれなくてゴメンナサイ。
でも、おじさんは涙がでるほどうれしかったです。
いま、おじさんは、おじさんのおかあさんがびょうきで、おかあさんのおせわをしています。これがたいへんで、ちょっとつかれていたところでした。
そこへ、恭子ちゃんからにがおえのプレゼント。なんか、とてもゲンキがでてきました。ファイトも。
だって、おじさんは恭子ちゃんがかいてくれたように、カッコイイおじさんなんだから。
でもね、ひとつだけおねがいがあるんだ。おじさん、もうすこし、かみのけがあるんだな。恭子ちゃんのおとうさんより、すこしだけね。
こんどかいてくれるときは、すこしだけでいいからふやしてね。だけど、ほんとうにソックリ。おじさんのへやにかざってます。タカラモノだね。
しっかりあそんで、すこしだけべんきょうして、おとうさんとおかあさんをよろこばせてあげてください。おとうともだいじにしないとね。
じゃあ恭子ちゃん。ほんとうにありがとうございました。こんど、あおうね。
のだあきひろ


★2月17日
ついさっき、和ちゃんは元気にデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出陣していった。バッグを二つ持って。
「和ちゃん。こっちの一つは置いておこうや」
「おえんのじゃ。いるんじゃホンマ!!」
というわけで、ガラクタだけを詰め込んだバッグも持って行った。炬燵の上は、そのバッグを準備するためにハチャメチャ。これから片づけないと。
ところで昨日、和ちゃんは特大ウンコを放出。
「なんか出そうなわあ?」
と事前に報告。ありがたい。和ちゃんのウンチングスタイル後方から眺めていると、先が顔を出したかと思ったら、ヌルヌルと出始め、一番太い部分は缶コーヒーの太さほど。こんなのが二つ。あまりの巨大さにオレはビックリ以上に感心し大笑い。久々に高らかに笑わせてもらった。サービスで拭いてやったのだけど、正に紙いらず。ペーパーに付着した名残はなかった。
明日、和ちゃんは髪をカットしてもらうことになっている。水曜だけど、特出。

★2月18日 野田明宏 
生誕の日
とうとう、嫌々、どうにもならない世間の掟に逆らえず、オレは今日、48歳を迎えてしまった。
だからといって、今日が特別な日でもなく、オレにとっては和ちゃん中心の一日でしかない。
でも思い出す。和ちゃんが凛としていた頃、オレとあまり会話のない母子だったけど、和ちゃんはオレの誕生日の朝は必ずこんな質問をした。
「なんか食べたいモノはある?」
今振り返ると、ホンマにホンマ、暖かい母親の言葉だった。
和ちゃん。オレのお袋。数え切れないくらい恩があり、オレの喜びを自分の喜びと受け入れてくれてた女性。
オレはなぜ、お袋に対して素直な息子ではなかったのだろう? 自分の誕生日に後悔ばかりしているバカ息子か。情けない。

★2月19日
昨日、和ちゃんがデイサービス・和みのときからの帰宅時、北の迫さんと一緒に撮影。というのも、和ちゃんは昨日、髪の毛をカットしてもらいベッピンさんになったから。
でもなあ、オレは可笑しくてしかたがない。カットは上手い。ただ、和ちゃんの老けた顔とオカッパカットが微妙にミスマッチ。でも、可愛い。オレはこのミスマッチが大好きだ。だからお願いする。この髪形に合わせたファッションを想像するのがまた楽しくて。
和みのときの皆さん、ありがとうございました。
さて、オレはヤッパ疲労感が溜まっていて、昨日は昼寝を2時間。夜より熟睡し、身体がなんだか軽くなったようにも感じる。ほんの束の間だろうけど。
で、昨日はオレの誕生日。素敵なメッセージあり、花束ありで48歳の一歩を踏み出した。
変な言い回しになるけど、
オレの人生いろいろだけど、ヤッパいろいろあるなあ!!

★2月20日



和ちゃん。とうとう名刺できる。
川本さん、ありがとう。


★2月21日
いやあ、なんとも春爛漫の陽気。
いまさっき、コープから和ちゃんと帰宅。今、シッカリビニール袋をたたんでいる。
さてと、オレは季節の変わり目とか、急激な寒暖差のとき自律神経失調症の軽い症状に襲われることがある。動悸はないけれど、疲れが増す。オレは電車内でパニック症候群も経験しているのだけど、本当に自分で自分がコントロールできなくなる。そして激しい動悸。息ができない。生まれて初めて、このまま死ぬのかと覚悟した次第。もっとも、医師に言わせると自律神経失調症で意識を失うことはあっても死んだ例はないらしい。
軽いのが昨日現れた。帰宅して昼寝をしたら快復したけれど、オレは思う。多くの在宅介護進行形のHPが閉鎖されたり長い期間放置状態にあるのが目立つ。オレも、いつ、そういう状況に追い込まれるか? まあ、HPはオレ個人のモノだからゴメンでいいのだけれど、皆、実際のところHPどころではないと思う。
とかなんとか書いたけど、ヤッパ、今日も記してしまった。
和ちゃんはとっても元気です。

★2月22日
昨日と今日、オールで和ちゃんと一緒だ。
和ちゃんからはいろんな質問が飛び出してくる。気持ち的には全てに対応して応えてやりたいのだけれど、それはとっても疲れる。それに、質問自体に形容詞ばかりだから意味不明のことも多く、聞いていてイライラが募る。
「ツェ!! うるせえのおホンマ。静かにしとけえ」
どうしても怒鳴ってしまう。
しかし、今朝は面白いことを言っていた。トイレに入って直ぐに回れ右で出てきた。
「どしたんなら。オシッコせんのか?」
「それでも、お便所の穴に誰かおるよ。オシッコしてええんじゃろうか?」
和ちゃんに言わせると、トイレにも誰か住んでいるとのこと。そりゃあ、オシッコかけるわけにはいかないわなあ?

★2月23日
今日は月曜日。和ちゃんは普段通り、元気イッパイでデイサービス・和みのときへ。そして、午後4時には帰宅する。つまり、和みのときは4〜6時間設定。とはいえ9時に出て4時に帰宅となると都合7時間。1時間のタイムラグ。
驚くなかれ、和みのときまでは距離にして約20キロある。3月3日で通い始めて一周年。職員の方々もよく送迎してくれると感謝の気持ちでイッパイだ。慣れた所がいいし、私の友人が立ち上げたデイサービスなどで融通がきく。ありがたい。
で、ここで書きたかったのは、金曜日に和みのときから帰宅して月曜日に出陣するまで、トータルで65時間。65時間、和ちゃんと一緒なのだ。食べるときも眠るときも。オレの視野に入ってないときもあるにはある。オレが風呂に入ったときとか洗い物をしているとき等々。しかし、風呂に入っていても落ち着きはしない。心の洗濯などできようもない。
土曜日。新たな対策を考えるかな? 3月からは要介護3扱いだし。

★2月24日
なんか、寒暖差が激しい。和ちゃんの肌着を、厚めにしたり薄めにしたりとタンスをひっくり返す。オレと違って和ちゃんはタフだから免疫力も強いのだろう。あと少しかな? インフルエンザの脅威から解放されるのも。でも油断大敵。
オレは欠伸ばかりが出る。昨夜、かなり熟睡できたから今朝は身体が軽かったのだけれど、陽気のせいかな? そりゃあ48歳も関係してるだろうし。以上

★2月25日
昼飯の肉うどんを食べたあと、オレはパソコンに向かっている。和ちゃんはテレビの前で、相も変わらずいろんなガラクタ整理をしている。時々、本にも目を通しているのだけど、字が読めないから見ているだけ。でも、いろいろと思考している様子。何を思考しているのか聞いてみるのだが、和ちゃんが上手く説明できないので放置状態。
ところで今日、プラッツに一緒に行ってきた。トットコトットコ歩く。身体は少し前屈み。背筋が伸びないらしい。途中、郵便局に寄って、ふれあいセンターにも寄ってノンビリとお出掛けしてきた。帰宅時、やはり汗を背中にかいており、薄手の肌着に着替えさせ、即、洗濯。
そうそう。一昨日だったかな? 和ちゃんは、ひらがなで“のだかずこ”と書けた。オレは驚き、もう一度書かせたら“のだみずこ”になった。とはいえ、“か”と“み”は書き方が似ている。
さてと、これからキャッチボールをしよう。

★2月26日
和ちゃんの唇が荒れている。ほとんど快復はしたけれど、一時は右上唇が腫れていた。オレは薬用リップクリームを朝・夕・晩に塗り、昼にも塗ってもらうようデイサービスの方にも伝えてきた。ビタミン錠も飲ませた。気配りはかなりした。今朝も塗った。すると、塗った途端、和ちゃんはそれを拭った。カチン!
「和ちゃん。それはそのままにしとくんじゃ。シッカリせえ」
「ええんじゃ。もう、私もあれじゃから」
あれというのは、死ぬのが近いと言いたいのだけど言葉にならないのだ。カチンがビッグバン。
「おえ? そりゃあ死ぬゆうことか? オメー、このクソババア。人が一生懸命したりょんのに、死ぬ根性があるんなら死んでみい? 吉井川はすぐそこじゃがな。死ぬんなら、ご近所に迷惑かけんようにコッソリと頼まあホンマ!! ほんなら今日でバイバイじゃ」
偉い先生の本では、こういうのを禁句と言うらしい。
また反則技が出た。泣き出した。泣かれるとどうにも勝負にならない。和ちゃんが凛としてオレのお袋だった頃、和ちゃんの逆襲は凄まじいものだった。ヒステリックに叫び上げた。こちらが近所の目を気にするほどに。
それでも和ちゃんは元気にデイサービス・ゆう倶楽部長浜へ出陣して行った。オレが折れたからだ。
まあ、どちらにしても午後4時半頃には、
「ただいまー」
の元気な声が響く。
朝の事件はもう、忘却の彼方のはずだ。

★2月27日
昨日、やはり朝の事件は忘却の彼方状態で元気に帰宅した。
さてと。今朝、和ちゃんがトイレに行くと言った。昨日を含めて4日間ウンコの放出がない。
「ウンコか?」
「なんか、そんな気もするなあ?」
本当はジックリ確認したいのだけれど、ウンコが引っ込んでしまうと困るので時間を少しおいてトイレを覗いた。和ちゃんの肛門からウンコが出ている。しかし、アレッ? 和ちゃんが両手を顔の前にやり何かを持っている。トイレットペーパーに包んだウンコだ。さつまいもの中程度の大きさのウンコを、ホットドッグを注文したときのように紙に包んでいる。
「そのウンコどしたんなら?」
「あんた、見たいんじゃないん?」
「いらん、いらん。はよう捨てー」
オレは、それをわしづかみにして落下させた。オレの手に少々付着。和ちゃんの手に付着はないようだけど、タオルで拭く。結局3発落としたのだけれど、怒りより、今日は笑い転げた。
「和ちゃん。あのウンコ。直接、手で受けたんか? それにしちゃあ、手はキレイなかったのお?」
「なんぼなんでも、わたしゃそこまでアホウじゃないよ」
そうだといいんだけど。あんなのを部屋に持参されたらたまったものではない。これからは、ウンコの兆候がある時には、即、チェック。これもシンドイけどなあ!!

★2月28日
今日は土曜日。本来ならば和ちゃんは休日。でもデイサービスに出陣してもらった。ローテーション無視。なんの不服も言わない。先が見えないアルツハイマー介護だけど、和ちゃんは日々切り替えだから、昨日・一昨日のことは忘れている。
ほとんどの明け方、布団の中から和ちゃんに声を掛ける。
「生きとるかー?」
「生きとるよー」
そして和ちゃんはオレにニコッと微笑む。たまらない。正直、いつまでも元気でいてもらいと思う。起床してからは、また新たな戦いが始まるのだけれど。

★2月29日
今日で2月も打ち止め。とはいえ、暖かな一日だったなあ。
オレたち母子の今日は長閑な一日で、オレがイライラすることもなく3月という月に突入しようとしている。細かいことを詳細に書けば切りもなく、長閑な一日は長閑に日記を閉じればよい。

★3月1日
今朝も和ちゃん。ウンコをシッカリとトイレットペーパーに包んでいた。しかし、と思う。なんであんなに上手く、ウンコをペーパーで包めるのか? 見てみたい。
で、この“見てみたい”とオレが言ったことに和ちゃんは混乱している様子。以前、確かに何度か言った。ただし、オレはこう言ったはずだ。
「和ちゃん。どんなウンコが出ようるか見てえから、ウンコ出しょうるところを見せてくれる?」
肛門からどんな色・形のウンコが出ているか? を確認したかったのだけど、和ちゃんの脳裏にインプットされ強固に構築された言葉は
「オレは和ちゃんのウンコが見たい」
ということらしい。
「あんた、私のウンコ見たい言うたが」
と和ちゃんから問われれば、和ちゃんの発言も間違いではない。
どうやったら、この“見てみたい”を和ちゃんの脳裏から消去できるのだろう。朝の6時〜9時にかけて、これから恐怖だなあ!! 怒るに怒れないし。和ちゃんは、良かれと思って自分のウンコを包んでくれているのだから。トイレにを覗かなかったら、部屋まで持ってくるぞ。マイッタなあ!!
でも、ビチビチだったらどうなるのだろう? 考えない考えない....

★3月2日
広島の中国新聞くらし面で、本日より週間で連載が始まった。
“アルツハイマーの母のそばで”
一面の八分の一の大きさだからかなりデカイ。イラストも良く、久々に充実感。
倉敷市男女共同参画をめざす情報誌:ウィズテリアにもオレと和ちゃんが掲載されちゃった。

★3月3日
今日は冷える。とはいえ和ちゃんと一緒にコープに買い物へ出た。カラスがカーカーと鳴いていたので、
♪♪カラスなぜ泣くのカラスは山に...♪♪
を一緒に歌って帰路を歩いた。一番は、ほとんど完璧に和ちゃんは歌え嬉しそうだった。
昼食はいつもどおり肉うどん。和ちゃんは箸一本で食べ始めた。でも一本では食べられない。左手で。これもダメ。結局、オレが二本で食べるよう指導し、それで食べ終えた。確実に、アルツハイマーは和ちゃんを侵蝕していっている。
だけど、あまり先のことは考えないようにしよう。今日は長閑に過ごせているのだから。

★3月4日
和ちゃん。いまさっきデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと向かった。今朝は寒いので久々にマフラーをさせた。ひな祭り寒波。2月が暖かだっただけに対応に苦慮する。
今朝は鼻を少しシュンシュン。少し喉もいがらっぽそうで、葛根湯を飲ませた。熱は36.5度だったのでデイサービスに出したけど、風邪には神経質にならざるえない。
ところで、今朝メール確認。この日記を通じて知り合った方から着信。一度、お会いしたこともある。あまり詳細は書けないので簡単に書くが、乳ガンが見つかり、現在在宅介護中の義理のご両親を施設に預けざるえないとのこと。なにかお手伝いできることがあれば返信の言葉も見つかるのだけれど、オレも日々神経戦。お身体を大切に。としか打てなかった。微力にもなれない。
とはいえ、取材でそういう方々を多く見て接してきた。オレにしたって他人事ではないのだから。

★3月5日
和ちゃんが風邪を引いてしまった。昨夜はかなり咳き込んだ。朝一番で北の迫さんに電話し、デイサービスをキャンセルしてもらった。
病院へとも考えたが、熱が高くても37.2。今日午後4時では36.7度。この辺りを行ったり来たりなので、行く労力より休息を優先させた。今は、ほとんど咳もしなくなった。
しかし、アルツハイマーと風邪。キツイ。なんで? と腹立たしさもある。あれだけ注意していたのに。チクショウ!!
「和ちゃん。どこがシンドイんなら?」
「向こうにおる二人が.....」
意味不明の応答。オレの神経回路に黄信号が点滅中。しかし、キツイ。よく、オレの自立神経が保持できていると思う。ほんのささやかな楽しみも全てがオジャン。
日記どころではない。

★3月7日
和ちゃん。復活か?
今日は熱もなく、元々、熱はほとんどなかったのだけれど、コープへ買い物へ出た。シッカリ歩けた。
とにかく、明日もこの調子を維持し、デイサービスに出陣して欲しい。オレは疲れているけど、まだまだ余裕はある。余裕のあるうちに、オレに自由時間を頂戴。

★3月8日
今朝、和ちゃんはデイサービス・和みのときへ出陣していった。多少、身体はだるそうで、拒否反応もあったけれど、ここは踏ん張ってもらわないとオレにも休養が必要だから。和みのときは、看護婦資格を持つ二人がいて安心感は絶大だし。とにかく、最低、風呂だけは入ってきたもらいたい。
もっとも今朝、熱を測っているときにウンコをしたいというのでトイレに同伴しお尻の下から覗き込んでいると、特大がニュルニュルと二つ。昨日、コープへ買い物にで出、運動したのが良かったと思う。五日ぶりの放出だから。
しかし、疲れた。今朝の和ちゃんのお熱は36.7度。これは、和ちゃんにとっては平熱だ。37.3〜4度あたりまでならOK。
オレも久々に風呂に入ろう。五日間入ってないから、身体中が痒い。

★3月9日
今、8日の午後6時35分。和ちゃんは早々に眠りに入り始めた。もしかしたら、もう夢の中かもしれない。目を閉じると超高速で別世界へ。久々のデイサービスで疲れたのだろう。
今日、和ちゃんはデイサービス・和みのときから元気に帰宅した。デイサービスでも変調はなく、入浴でシッカリ身体を磨いてもらったとのこと。髪もキレイに整っている。元気で笑顔を見せるときの和ちゃんの表情はスコブル素敵だ。
オレも今日、少しヒンヤリしていたけれど入浴した。入れるときに入っておかないと、文字通り、“予定はあくまで予定であって決定事項ではない”を実践せざるえない不安定な生活を送っているのだから。
さてと、日本インターネット新聞社・JANJANの変則コラムも量が増えると形になってきた。オリジナルとリンクさせている度量に感服する。中国新聞社の週間連載第2回も明日掲載される。楽しみだ。どんなイラストが描かれているか?
なんだかんだで泣きが入る毎日だけど、結構、楽しみもある。これって和ちゃんのお陰?

★3月10日

和ちゃん 入魂の“あいうえお”


現在時、9日の午後4時15分。今日も時間差で書いている。今日の和ちゃんの帰宅は午後5時半だから。
しかし、昨夜の和ちゃんは超爆睡だった。午後6時半に眠りに入り、翌日午前4時半まで目覚めなかった。もっとも、4時半にオレが無理矢理トイレに行かせたのだけれど。オシッコをして床に入り、即、再猛睡。なんか可笑しくなる。
ところで昨夜、大阪の従姉妹から電話があり、伯母(和ちゃん姉)がこの二・三日で危ないとの知らせ。不義理をするが、和ちゃんの近況を報告し葬儀には出席できないことを伝える。伯母は今、介護施設にいるとのこと。アルツハイマーなのかは定かではないのだけれど、痴呆が激しかったとのこと。オレの事情を理解してくれ、不義理を理解してもらった。実のところ、オレなんかより凄まじい介護だったらしい。
このことを、和ちゃんに告げようとは思わない。理解できないからではなく、“死”ということに敏感に反応しそうだから。
実の姉が逝ってしまうのに.....。なんか、とっても切ない。

★3月11日
今日も前日の10日に記している。ポカポカ陽気で、こりゃ春爛漫だ。しかし、これでまた寒波などあったらたまらないなあ!!
今日は長閑だ。和ちゃんの調子も良く、今朝、また極太のウンコが出た。同伴しているので、ウンコの時はオレが肛門を拭いている。和ちゃんが自分で拭くと、手にウンコが付着したりアフターが大変。今朝も、ウンコを包みたい欲望があったみたいだし。
さてと。ついさっきまで、介護福祉研究会への原稿を書いていた。最近パソコンに向かうことがスコブル多くなってしまい、視力が著しく低下している。文庫本を読むのはシンドイし、そろそろ眼鏡が必要なのだろうか? 中年オヤジを飛び越して、これは老化だな。もっとも、下半身は30歳代を維持していると確信しており、なんだかオレの身体、とってもアンバランス。

★3月12日
和ちゃんが帰宅するまでに、まだ1時間近くあるので今日も一日前倒しで書いている。
しかし、昨夜は暖かかった。暖かいのはいいのだけれど、和ちゃんが眠りに入って数時間後、暑いからと目を覚まし、和ちゃんの長袖シャツを半袖シャツに替え眠りにつかせた。また少しして、暑い。ズボン下を脱がす。その後は爆睡。オレ自身も気候の急激な変化に戸惑っているのだけど、和ちゃんの健康管理は瞬時の隙間も見逃せない。言葉より、ボディランゲージで迫ってくることも少なくないから。
でも、風邪から脱出してくれて助かった。和ちゃんから笑顔が消去されたらオレにとっても一大事だから。あの笑顔がたまらなく愛おしい。
で、さっき、広島県立保健福祉大学の住居先生と電話していた。依頼されていた原稿の件で電話したのだけれど、彼も主メンバーである介護福祉研究会に和ちゃん同伴で来て欲しいとのこと。5月のことだから先だけど、和ちゃんの調子さえ良ければ同伴しようと思う。住居先生は著書も多く、今年一月にも一橋出版から“要介護認定とは何か”を上梓している。今、オレの手元にあるけど勉強になる。もっとも、プロの介護職向きではあるけれど。
和ちゃん。本人は全く知らないのだけれど、結構、有名人?

★3月13日
12日。今日もデイサービス・和みのときから元気に戻ってきた。少し前の風邪モドキからは完全脱出した模様。年相応に食べるし、眠りは相変わらず深い。そういえば、オレは今週、怒鳴り声を上げていないと思う。オレも気長になったのかもしれないし? それはないな。和ちゃんの行動に、あまりトンチンカンがないからだろう。
長閑に週末を迎えられそうだが、明日、和ちゃんにはデイサービス・ゆう倶楽部長浜に出陣してもらう。少し、オレは休息したいからだ。
「和ちゃん。明日も頑張って学校行ってくれる?」
「頑張るよー」
瞬時に応えてくれた。ありがたいことだ。もっとも、この会話も瞬時に消去されるのだけれど。
とはいえ、和ちゃんには元気イッパイと笑顔がよく似合う。

★3月14日
13日の午後1時45分。岡山から帰宅し、洗濯物をたたみ、風呂を沸かしながら今PCに向かっている。和ちゃんはデイサービス・ゆう倶楽部長浜。調子がいいので、今日も出陣してもらった。
さてさて。今朝は和ちゃん、文字通りに踏ん張った。
というのも、ウンコが出るかなあ? とオレに言って(申告するように申し渡してるのだけど、凄い。本当にアルツハイマーか?)トイレに向かったのが、朝7時のNHKニュース内の天気予報の時。そして、トイレから出てテレビの画面を見ると、7時52分。和ちゃんは約25分間、ウンチングスタイルを維持していたことになる。
オレは付き添った。なかなかウンコが肛門から顔を出さない。数分後、顔を出したと思ったらヌルヌルスコーン。でも、次が顔を出している。けれど、顔だけだして、肛門から出たり引っ込んだり。これが10分程続き、オレは悩んだ末、和ちゃんの肛門を目一杯にオレの両手で拡げた。固いのだ。ほじくってやろうかとも考えたけれどデリケートな所だから止めた。
まあ、そんなこんなで、そこそこの大きさのウンコが3個出た。
「脚が痛いんじゃけどなあ」
を連発していたけれど、途中止めにしておいて、和ちゃんの意志とは無関係にウンコ様に出てきてもらっても困る。便器とオレの位置は、便器が一段上にあるので覗き込めば和ちゃんのお尻全体は把握できるのだ。
真冬だったらこんな悠長なことはしてられないけれど、和ちゃんは気張りっぱなしで暑いと言っていた。オレも和ちゃんも大笑いしながらの奮闘劇。しんどかった。
ところで、オレの肛門も異常事態。イボ痔が出ている。切れ痔にイボ痔。オレとは長い付き合いだけど、時々膨らむ。手鏡でシッカリ覗くと、女性の陰茎のようにも見えてしまう。
「キャー!! この人いやらしいー」
と、読みながらオレを軽蔑した女性。そんな人たちは、老人介護などできないぞ。
チンチン・タマタマetc。こんな語彙は日常頻繁なのだから。
オットット!! 大事なことを書き忘れていた。マツモトキヨシでボラギノールを買った。

★3月15日
14日の昼食後。時間は長閑に過ぎている。
さて午前中。久々にプラッツまで買い物に行ってきた。途中、百均に寄り、“あいうえおボード”を買った。特別に学習能力をアップさせようと買い求めたのではない。和ちゃんとのコミュニケーション用。しかし、百均は和ちゃんと遊ぶことを前提に考えると宝庫だ。
で、和ちゃんがプラッツで一言。
「ここ。久しぶりじゃなあ」
確かに、久しぶりなのだ。風邪モドキの前は寒波だったからコープへ。その後も大事をとってコープまで。
これは、アルツハイマー病、快復の兆しか?
そんなことあるわけないな。ただ思うのは、オレは最近、本当に怒鳴っていない。関係あるかも? 怒鳴らせない和ちゃんの調子もなかなか良いのだけれど。
とにもかくにも、足腰は万全だ。

★3月16日
またまた、一日前倒し方式が定着してしまった。やはりなあ、書けるときに書いておきたい、というのが本音。もっとも、ある意味ではこの日記も、仕事の一部でもあるような気がしてならないのだけれど...
さっきまで、中国新聞での連載コラムの原稿を書いていた。明日、3回目が掲載されるので、一回掲載される度に一回分を送信するという姿勢で臨みたいからだ。もっとも、最初から余裕ある状態にはしているのだけれど。
で、書き終えてヤフーに飛ぶと、高橋尚子がアテネ五輪落選。岡山天満屋の坂本直子さまが選出されていた。オレは彼女の大ファンで、アテネへの楽しみが増えた。そおいえば今日、春の選抜高校野球の抽選会日でもあるんだなあ。世の中、日々動いている。オレはなあ?
今朝、和ちゃん。オレは少し出遅れた。トイレに入ったときには、和ちゃんはウンコをペーパーに包んでいた。
「これ」
オレに包んだモノを後ろ向きで手渡そうとした。拒否しようか? でも、せっかくだから確認した。素晴らしいウンコだった。
なんで、こんな事を書かないといけないのだろう?

★3月17日
16日の午後3時46分。今、風呂から上がってビールを飲みながらPCに向かっている。ビールとはいっても発泡酒。アルコール度4.5。度数の高いのは控えることにした。イボ痔に悪い。こんな事を書いてると、
「野田はお気楽だなあ!!」
とお叱りを頂戴しそうだけど、もう、どう思われてもいいのですよ。オレと和ちゃんの人生。和ちゃんにより良い方向の姿勢であれば。明日、和ちゃんはデイサービスお休みの日。シッカリ側にいてやりたいし、いないと何が起きるか分からない。昨夕も、スッテンコロリンして頭を窓に直撃しそうになったし。風呂など、ゆったりモードで入れないのだから。
まあ、愚痴はよそう。明日は何をして、和ちゃんと笑おうかな?

★3月18日
今日、17日の最高気温予想が23度。今、そのくらいか? そして、明後日の最低気温予想が0度。和ちゃんの健康管理と肌着と服装には気配りしなければならない。これって、結構疲れる。本人が正しく表現できないから。
しかし、和ちゃんは元気で、今日も楽しく過ごしている。
ところで、なんだか最近になって原稿依頼が頻繁に飛び込んでくる。とはいっても取材でそんなに遠くまでも行けないし。ジレンマだけど、和ちゃん最優先だから、できることだけしていこう。