10月11日〜10月31日
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日記TOPへgo! ★10月11日 稲穂が頭を垂れる中、そして、あまりにも青く澄んだ空を見上げながら和ちゃんとコープへ買い物に行ってきた。 大きなウンコが二つ出たとのことで、今日の和ちゃんの調子はgood。食欲も旺盛。これ以上、特別に記すことはない。 トンチンカンな言動はもはや日常だから。 ★10月12日 今、午前7時45分。和ちゃんのデイサービス出陣お迎えまで約40分があるものの、和ちゃんは忙しく、いろいろ活発に行動している。 髪をセットする。しかし、ヘアピンがないので行ったり来たり。オレにはある場所が分かっているのでヘアピン6本を和ちゃんの寝床から取ってくる。和ちゃんに渡そうとすると、目の前に置かれている櫛が無くなったと言って鏡台のあちこちを錯乱させている。まあ、いつものことだ。 少々冷えてきたので、最近はズボンを履かしているのだけれど、ヒラヒラスカートの下にズボンなりジャージを履いたりもする。パンツを2枚着けてたり、デイサービス出発前に靴を履くとき、靴が小さくなったと言うので確認してみると靴下を2枚履いていたり。 些細なことは多いけど、とにかく元気ハツラツ出発して欲しい。小さな失敗には目をつむる。 そういえば昨日、和ちゃんを入浴させて身体を洗ったあと、ドーンと疲れてしまった。オレが先に風呂に入って、直ぐに和ちゃんの入浴サービスをしたからかもしれない。もっとも、空腹であったことも相乗していたかも。 1日の流れのシステム・リズムを考えなければ。 ★10月13日 今日が3連休の中日ということで、各地の行楽地はにぎわっているとのテレビニュース報。もっとも我が家は普段どおり。今パソコンと向き合っている隣では、和ちゃんが奮闘中。新聞のたまったやつをいくつかに分けて、ひもで一塊りにしている。なかなか手慣れた作業。 「和ちゃん、なかなかやるじゃあねえか?」 「そりゃあそうえ。わたしゃ戦時中、挺身隊で厳しゅうやらされたからなあ!」 挺身隊でやったのは、算盤事務。今やっている作業は、和ちゃんが勤務していた乾物等の卸問屋で修得したもの。しかし、手さばきが鋭い。身体で覚えたことは忘れないのだろうか? 洗濯物なんかでも、オレの襟袖シャツをきれいにシワなしにして干す。これだけは、オレはできないので、素直に和ちゃんにお願いする。 ところで、昨晩話していて面白いことを言う。和ちゃんは、3人のローテーションでサポートされていると考えている。顔はほとんどいっしょで区別がつかず、背の高さが幾分、各人異なるらしい。 「アレッ! さっきの人は?」 「アッ!! いつ来たん? 今までおった人と交代したん?」」 等々、いつもオレと一緒にいるのに、同一人物を3人に識別できるらしい。 スゴイ能力?? さて、今月の21日に林病院まで送迎サービスをお願いしている在宅介護サービス・サルピスの所長である松平さんと送迎担当の越智さんが来訪。松平さんたちには我が家で一服して帰ってもらいたかったのだけれど、松平さんは脊髄損傷と30年間付き合っている元岡山大医学部・柔道部に籍を置いていた電動車椅子の男性。 階段を下りなければ玄関に入れない我が家では、一服など不可能。逆に、申し訳ないのだけれど和ちゃんとオレを両備バス西大寺駅隣のプラッツまで運んでもらう。 帰路、和ちゃんが興味深いことを言った。差別発言かもしれないのだけれど、 「私が子供の頃やこう、アルツハイマーじゃ言うたりしょったら『ワアー! きょうてー(恐い)』ゆうて逃ぎょったけどなあ? 今は皆、優しゅうしてくれるからありがてえが」 “アルツハイマー”という単語が、時々、完璧に表現できる。しかし、和ちゃんの頭の中では、和ちゃんは子供の頃からアルツハイマーという言葉を知っていたことになる。 とにもかくにも、今日も楽しく散歩ができた。 ★10月14日 今朝の朝刊には注目すべき記事が2本あった。 1本目は昨日、痴呆老人の家族や介護者らが抱える悩みを考える「ぼけの人と家族への援助をすすめる第18回全国研修会」(呆け老人をかかえる家族の会主催)が岡山であったということ。記事の中で介護者として興味深いのは、 「この中で、アルツハイマーの85歳のしゅうとめを介護する愛媛県の女性は、決して怒らず、しゅうとめの人生を尊重するなど介護で心がけてきた点を紹介。『痴呆症の人の立場や身になって考えたら、豊かな社会への一歩になる』と話した」 “決して怒らず” オレには不可能だな。でも、怒らないでやってる人もいるのだろうから、詮索はよそう。やっぱり不思議だけど? 2本目は、「アルツハイマー病の関連たんぱく質発見」という記事。 簡略すると、今までは血液検査などで判断できなかったため早期診断が難しかったが、このたんぱく質の発見で血液検査で早期診断が可能になるとのこと。締めくくりにはこう記されている。 「ノッチβは神経細胞にくっつかないため、血液検査で調べられる」 “ノッチβ”というのが関連たんぱく質なのだけれど、こりゃスゴイ!! 和ちゃんの血液中にも、たくさん含まれているのかな? ★10月15日 とりたてて記すことはない。書くことがない、というのは良い兆候だ。 さしあたって書くとすれば、先週の土曜、和ちゃんが言うにはデイサービスでの職員さんが一人増員になったとのこと。また、いろんな人と混乱してるなと確信していたら、今朝のお迎え時に鹿村さんに聞くと確かに一人増員とのこと。 ビックリ!! ★10月16日 今朝は忙しい。オレが自律神経失調症の薬を市民病院まで受け取りに行かなければならないからだ。高血圧症と自律神経失調症を抱えての介護。どうなることやら。 で、今日はデイサービスの日ではないから、そういう理由で和ちゃんには留守番をしてもらわないといけない。 「和ちゃん、今日は5時間ほど一人で留守番してもらうけど、家から出たり、いろいろ家の中のモノをいじったりして悪さするなよ? 銃後の守りは頼んだで!」 「心配せんと行ってきてちょうでえ。留守番ぐらいできるから」 昼に食べるパンを冷蔵庫で確認する。二つ入れてあるのだけれど、 「今朝こんなんが三つ出たからなあ! 二つで足りるかなあ?」 和ちゃんは、親指と中指を丸めてウンコの太さを強調し、同じ指で長さまで詳しく報告してくれる。調子は良さそうだ。 なにごともなければいいのだけれど? ★10月17日 今日、和ちゃんが通うデイサービス“ゆう倶楽部長浜”を訪ねてきた。とはいっても午前9時頃から1時間程度いただけだけれど、カメラマンの蜂谷さんも同伴。フィルム3本を使い切ってもらった。オレのホームページ内の“和ちゃんが通う家で!!”で掲載する写真を撮ってもらったのだけれど、蜂谷さんにはこれからズーーット和ちゃんを追いかけてもらう予定だ。 “ゆう倶楽部長浜”で和ちゃんは楽しくやっているようで、笑顔が多く見られて安心した。これもスタッフ皆さんのお陰だ。スタッフのお子さんで1歳になる加南音(かなね)ちゃんもスタッフとして癒しの役割分担を担っているとのことらしく? 確かにオレなんかも加南音ちゃんの様子を見てると自然と微笑んでしまう。和ちゃんとも馬が合うらしく仲良しだ。 加南音ちゃん、ありがとう。 ★10月18日 なんとも穏やかな日射し。 和ちゃんは着ていたカーデガンを脱ぎ、いつもどおりにオレとコープにお買い物。買い物をし、コーヒーを飲んで、稲刈り真っ只中の田んぼ用水脇の小道をバカを言いながら二人歩く。突然、和ちゃんが厳しいことを言う。 「あんたら(和ちゃんはオレを含め、何人かでサポートしてもらっていると確信している)は、ヒステリーの人が多いなあ。そんなイライラしたらいけんよ」 確かに、ヒステリー状態に追い込まれることの多いオレ。でもなあ、こんな会話がいつまでも続くことを、歩きながらお日様に願った。 ★10月20日 昨日、和ちゃんの体重を計ってみた。顔がふっくらしてきたような気がしたし、最近、けっこう食欲もある。で、やはり肥えていた。 夏場はTシャツと夏物スカート着用で38キロ平均。昨日は風呂で洗髪する前にスッポンポンで計測したら39.5キロ。つまり2キロ弱太ったことになる。 身長は148センチだから、もう少し太ってもいいかな? しかし、軽い方が入浴のときなどには良いのだけれど。 148センチ。これはアルツハイマーを宣告された日に林病院で計測したのだけれど、若い頃と比較して幾分縮んだようだ。 今、午前11時ジャスト。コープで買い物を一緒に済ませて帰宅したばかり。買い物に出発する前にオナラを数発。プリプリ飛び出す。 「今朝、大きいのが2本でたのに、名残かなあ?」 ケラケラ笑っている。稟としている頃には想像もできなかったことだ。 「和ちゃん、スマッシングじゃのお! コープで鳴らすなよ」 「あそこは、ぎょうさん人がおるからこんな音じゃあ聞こえんよ」 またプリッ。そして大笑い。 「おえ和ちゃん、プリッはええけどピチッは勘弁してくれえよ頼むで!」 「そしたらどうする?」 笑える。こんな日々が続けばいいな。 ★10月21日 今日、和ちゃんと林病院へでかけた。“でかけた”というのも変かもしれないが、ドライブがてらの診察というとこかな? 在宅介護サービス・サルピスの出口さんに午前9時に迎えに来てもらい、楽しく約20分のドライブ。林病院では予約時間通りに午前10時から診察をしてもらうも、藤原先生から林先生に担当が代わった。和ちゃんが言うには、 「男の先生なのに、偉そうなところが全然ないなあ。優しいなあ」 ということで、気分も上々。 林病院から歩いて約10分の距離にある在宅介護サービス・サルピスに向かう。サルピスでは所長の松平さんから優しく声をかけてもらい絶好調。サルピスから自宅近くのコープまでは越智さんに送ってもらい、車中でもケラケラ。 和ちゃんにとって今日は、楽しいばかりの1日だった。 サポーターのオレは少々お疲れだけど、和ちゃんが嬉しいのならそれが一番。以前は考えてもみなかったことだけれど、そんなオレになってしまった今日この頃なのです。 ★10月22日 午後2時から、備前市三石公民館で備前市男女共同参画企画に呼ばれて講演をしてきた。演題は“男として、息子として介護...云々”だったような? で、和ちゃんにはデイサービスを2時間延長して頑張ってもらった。今朝は一段と冷えたので、出発前に着る服に試行錯誤。少々いらだった。 講演からの帰路、コープに寄って晩飯の総菜を買う。ついでに和ちゃんの冬用肌着を2枚買った。今日はどういうわけか、高齢者向きのパンツもじっくり観察してきた。雰囲気的に、今日の勢いがあれば和ちゃんの冬用パンツはオレ自身で買えそうだ。 でもなあ、オレ自身が、高齢者とはいえ婦人冬用パンツをじっくり観察している男を見かけると....やっぱなあ? どうしましょ? 和ちゃんは、今日デイサービスで良いことがあったと言う。具体的には、今まであまり良い感情を持てなかった他の利用者さんと会話していて、意気投合の後、互いに涙を流したとのこと。 「今日は楽しかったんよ!」 と嬉しそうに報告してくれる“おかっぱ頭モドキ”の和ちゃんがとても可愛い。 ★10月23日 今朝、和ちゃんのウンコ報告があった。そのときの会話。 「報告します。こんなんで(親指と中指を丸めて)こんなんが(親指と人差し指を拡げて)2本と、コロコロしたのが2個でました」 「オオッ!! 調子がええがな和ちゃん」 「なんでじゃと思う?」 「なんで?」 「昨日の晩ご飯で、“おいも”食べたが!」 ビックリ!! 昨晩食べたものをしっかり覚えている。 和ちゃんの部屋を一緒に掃除したあとコープへ買い物。帰路、和ちゃんに聞く。 「和ちゃん、昨日の晩ご飯は何を食べた?」 「食べた? 食べたよなあ? なんじゃったかなあ?」 秋空の下、稲刈り真っ只中の側で和ちゃんを抱き寄せ、カーデガンの上からシワシワオッパイを揉んだ。 和ちゃんの大きな笑い声。いい表情だ。 ★10月24日 午前7時40分。和ちゃんがデイサービスへ出陣する衣服を着せてきた。といっても和ちゃんが問うてきたのだ。 「私が今日着ていく服、お母さんから聞いてくれとる?」 「和ちゃんのお母さん、もう亡くなっとるがな」 「そうじゃなくって、仮のお母さん」 いろいろ混乱している。でも、表情は穏やかだ。 昨晩、民放テレビで、痴呆の妻を在宅介護する夫、二組の夫婦が紹介されていた。ちょうど和ちゃんと夕食を食べているときで、“アルツハイマー”という言葉に和ちゃんも反応を示した。 「ご主人、優しいなあ! 奥さん幸せじゃが」 紹介されている二人の妻は、和ちゃんより10歳ほど若いのだけれど、アルツハイマーとの戦は10年を超え、和ちゃんよりはるかに重度。和ちゃんもいづれは迎えるであろうその厳しい重度の様子を見ながら、オレは少々不安にかられた。 しかし、その不安を断ち切る。 「その時は、その時じゃがな!」 ★10月25日 まずは訂正。 一昨日、“秋空の下、稲刈り真っ只中の側で和ちゃんを抱き寄せ、カーデガンの上からシワシワオッパイを揉んだ”と記したけれど、昨日和ちゃんを入浴させているときにジックリ身体を観察してみると、垂れてはいるけど白いきれいなオッパイだった。乳首もピンクで、なにやら、吸い付いてみてやろうかな? という衝動。 ところで今朝、和ちゃんが神妙な表情で語りかけてくる。 「あのなあ、パンツの替えはある? ウンコがパンツにちょっと付いたんよ」 「オッ!! あるであるで。ウンコ付きパンツ、ちょっと見せてくれる?」 和ちゃんはパンツを脱いで見せてくれる。確かに少し付着しているが、オレもこのくらいは時々付く。 「和ちゃん。こんなん、誰でもしょっちゅう付くで。心配いらんから、そのパンツとりあえず替えたら?」 和ちゃんはパンツを替え、少し付着しているウンコを自分で洗い洗濯機の中に放り込んだ。 「こんなこと、あんたじゃから頼めるんよ。ありがとう」 和ちゃんはアルツハイマーになって稟としたところは消去してしまったけれど、角が取れて人間が円くなった。そして、可愛いらしさが新たに添付された。 ★10月26日 今日も、和ちゃんは元気にデイサービスへ向かった。 “ホッ!!” 送り出すまでが一苦労だからなあ。でも、昨日洗髪した髪がふんわりして可愛い。 で、昨日の夕食後、また怒ってしまった。和ちゃんには、洗い物はオレがするから放っておくように言っていたのだけれど、和ちゃんは洗ってしまった。 洗うのはいい。でも、洗いが甘いことも多く、二度手間になること頻繁。オレを助けたい気持ちは充分に理解しているのだけれど、オレにも段取りがある。洗う以前に歯磨きをするよう言っていたのに。 段取り通りにいかないと、全ての流れが狂ってしまいイライラしてしまう。性格なんだろうけれど? 一段落して二階に上がると和ちゃんが泣いていた。 “はーーーあ” 和ちゃんを後ろから抱きしめ、オッパイをくすぐる。そうしているうちに、次第と元気になってくる。そして元気になる。 今、午前10時半。デイサービスで楽しくやってるかな? ★10月27日 昨日、和ちゃんがデイサービスに行ってる間にダイエーに行った。目的は、炬燵を買おうかな? と偵察しに行ったのだけれど、最近の癖で婦人服売場に寄ってみた。 あった!! いいのがあった。ヤングカジュアルだけど、フリーズのフード付き。半額セールで2000円。安い。和ちゃんに着せたい。 以前だったら絶対に拒否するだろうけど、今なら着るかもしれない? これを着せて町に一緒に出たい。75歳。いいんじゃないの! どんな反応をするかと少々不安だったけれど、デイサービスから帰って着せてみた。 喜んでいる。OK!! しかし、フードを頭から被った和ちゃんが可笑しくて大笑い。和ちゃんも一緒に大笑い。母子で一緒にこんなにも笑える。母として、息子として、過去の遺恨といえば大袈裟になるけれど、和ちゃんはオレに対して全くの白紙。 「今朝、おたく(オレ)の息子さんに会ったよ」 白紙にいろんなモノを塗っていく。 風呂に入れているとき、ちょっと質問。 「和ちゃん。昼ご飯、なんじゃった?」 「お刺身となあ.....」 デイサービスからの連絡に、“サワラの刺身”となっていたので聞いてみたら覚えていた。 良くはならないものの、悪くもなっていないようだ。ただし、和ちゃんの表情は良くなっている。 ★10月28日 午前中、炬燵を買いにデオデオ西大寺店に行ってきた。明後日の配達にしてもらったのだけれど、今もなかなか鋭く寒い。オレの部屋の炬燵がご臨終となり、新品が必要になったのですね。 デオデオへは和ちゃんを同伴。オレの住む西大寺地区にあるとはいえ、バスで10分。バス乗り場までは我が家から徒歩で約1キロ。ちょっとした遠足気分。でも、最近は和ちゃんを同伴してあちこち行くのが結構楽しい。一昨日買った、フリーズのフード付きを着せてお出かけ。予想通り、可愛い。和ちゃんも恥ずかしがらずに着てくれている。 帰路、プラッツで夕飯の総菜を買い、プラッツ内の喫茶店でのこと。 「どうして、行かんといけんのん?」 どうして? とは、デイサービスのことなのだが、和ちゃん自身、基本的には家にいたいのだ。オレと一緒にいるのが一番で、オレがいないのなら一人で家にいるのがいいらしい。 「和ちゃん。あのなあ、ワシも和ちゃんと一緒におりたいんじゃけど、ワシの上司、つまりお偉いさんから言われとんじゃ。『和ちゃんを必ずデイサービスへ行かせること。段々にアルツハイマーも良うなってきょうるから』ゆうて指示を受けとるわけ。和ちゃんがデイサービス行ってくれんとワシ、お偉いさんからドツキマワサレルんじゃ。じゃから和ちゃん、明日も元気出して行ってくれるとワシ助かるんじゃけど?」 「ホンマかなあ、そりゃあ? あんたが助かるんじゃったら行かんといけんが」 コーヒーを飲んだあと、互いにオシッコ。和ちゃんも男子トイレへ。とにかく、これがやっかいだ。鍵を内から締めて出られなくなるかもしれないし、鍵を掛けられないかもしれない? で、男子トイレへ。 まあ、今日で数回目だけれど、男子トイレに和ちゃんが入っても老人だからほとんど問題は無いみたい。しかし、女子トイレに男性老人が入っていたらトラブルかもなあ? 今、和ちゃんは割烹着を着て、今朝も水やったばかりの植木鉢に水を補給している。 ★10月29日 今、午前9時。パソコンのキーボードが手がかじかんでスムーズに打てない。もっとも、2本指打法よりはましな4本指打法だけれど。今朝も寒い。我が家は温水は出ない。そして、水洗いをしてきたばかり。貧乏はキツイ!! 昨日午後、従姉妹の貴美子が和ちゃんに花を持ってきてくれた。和ちゃんは花が大好きで、花瓶にビックリするほど上手く挿す。これだけ見ていると、とてもアルツハイマーを患っているとは思えないし、次第にアルツハイマーから解放されているのでは? と錯覚してしまうぐらいだ。 寒くなってきた。着せるモノにも工夫しなければならない。ただ、寒い・暑いの体感はハッキリ主張するので分かりやすい。 今日のデイサービスには、フリーズのフード付きを着て出掛けた。 「こんなモノ着せられてなあ!」 嬉しそうにはにかんで、お迎えの鹿村さんに問いかけていた。 ★10月30日 フフッ!! 昨夜、和ちゃんを風呂に入れて身体を洗っているとき、ピンクの乳首に吸い付いてみた。ほんの瞬時だったけれど、乳首の感触はあった。オレが赤ん坊の頃は日々吸い付いていたのだろうけど、当然の事ながら記憶にはない。 つまり、物心ついて初めてお袋の乳首を吸ったというわけだ。 「キャー!! なんしょんで? イテー。そこからはなにも出んよー」 とケラケラ大笑いしながら叫んでいた。“無邪気”と表現すればいいのかな? しかし、バカなことをしている。でも、楽しい。変かなオレは? ところで、和ちゃんが通っているミニデイサービス“ゆう倶楽部長浜”の鹿村さんと、30分ほど夕方に会話した。会話といっても、和ちゃんが通い始めて約2ヶ月。これから“ゆう倶楽部長浜”でのケアをどうすればいいか? という相談だった。 真摯な対応に感謝の気持ちで一杯。 とにかく、“今までどおりでいいです”と伝えた。 完璧など無理。和ちゃんも行きたくて行ってるわけではないし、優しく接してくれれば、それだけでありがたい。取材で事務的な介護施設を多く見てきた。 鹿村さんは、楽しんで仕事をやってると言う。楽しんで介護職をこなしている人たちの中で見守ってもらえる和ちゃんはラッキーだと思う。 ★10月31日 キーボードを打つのが痛い。 洗剤荒れして、特に右手の親指・人差し指・中指のひび割れが激しく、各指に一本大きな裂け目が入り出血している。昨日から、洗剤を使用するときにはゴム手袋をはめている。主婦・主夫業というのは、大変なんですねえ。 しかし、なにやらとっても高速で時空が過ぎ去っていくなあ! 明日から11月か! そろそろ、気の早いところはオレの大嫌いなチンクルベルのデコレーションなりBGMを鳴らし始めるんだろうなあ? とはいえ今年は、和ちゃんとNTTクレドビルのでっかいクリスマスツリーでも見学に行くかな? |