5月27〜6月24日
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★5月27日
113−70−64
この数字は昨日午前9時に計測した、和ちゃんの血圧の上下と脈拍数の数値。ここのところ、デイサービスの朝の計測でやや血圧が高めだったので、我が家の電子血圧計で計った。家で計るとだいだい好調な値を示す。まあ、電子血圧計ということもあって多少の誤差があるだろうけど、これなら大丈夫。やはり、デイサービスでは緊張感もあるのだろう。
「わたしゃ、ここが一番えんじゃ」
と和ちゃんは常々言っているのだけれど、血圧がそれを証明しているようだ。
さて、今日はオレも市民病院の内科と神経内科の門を叩かなければならない。高血圧症に自立神経失調症。我が家の掃除のことを考えると、血圧が上がり、自律神経も穏やかでない。
そういえば、和ちゃんが服用している薬といえば、血圧関係のアムロジンだけだ。オレの方が薬の数は多い。

★5月28日
日の出が早くなった。それにつられてというわけでもないのだろうけど、和ちゃんの目覚めも早くなってきた。まあ、オレに気兼ねしてか布団の中には入っている。気兼ねするぐらいだからアルツハイマーの症状としては上々だろう。
ただ、布団から手の届く棚からいろんなモノを引き出してはゴソゴソとやっている。それで、だいたいの目覚めの時がオレにも分かる。今朝は、郵便局(今は郵政公社)からの通知と睨めっこしていた。
「和ちゃん。何しょんなら? 小判でも出てきたか?」
「またおカネ払わんといけんのじゃろうか? こんなんが来とるよ。いつ来たんじゃろうかなあ?」
平成13年のモノだ。和ちゃんがまだシッカリしている頃に仕舞い込んで、ボケで忘れてしまっているのだ。だいたい、朝の始まりはこんな状況から始まる。
さて昨日、オレは初めて情報開示請求をしてきた。岡山県庁で。通所介護、つまりデイサービスの園外活動、文書では事業所外活動と記されていたけれど、介護保険とは別に県から各事業所に通達されたモノを閲覧しにいったというわけ。
基本的には情報開示請求の必要はないモノだと思うけれど、というのも、これは通達として介護保険導入後少し経過して各デイサービス事業所に通達されているのだから。まあ、オレを担当してくれた長寿対策課の人が真摯な態度で接してくれたのでオレはごねなかった。素直に情報開示請求の部屋へと向かった。これについては、また記そう。
帰宅後、オレはある施設のショートステイ(今現在、利用予定はない)を見学するため、その施設に電話を入れた。痴呆を専門にしている施設なのだけれど、ショートステイを利用する前に、そのショートステイ利用適格者かどうか診断が必要と言う。電話だけでの会話なのでオレも正しく理解していなのかもしれない。でも、なんか納得できないオレがいる。

★5月29日
季節外れの台風が近づいている。
オレと和ちゃんの日々は穏やかだ。和ちゃんは今朝も元気でデイサービスに出発していった。出発前の会話。
「和ちゃん。今日も調子良さそうなのう?」
「うん。ええよ」
「今日みてえなええ天気の日は二人でどこか行きてえのお。せえでも、アルツハイマー法ゆう法律があるから、和ちゃんはアルツハイマーの学校行かんといけんもんのお!」
「そうらしいなあ?」

『必要悪』
『嘘も方便』

★5月30日
風が強いなあ!!
台風は西大寺付近にかなり接近しそうな予想進路図になっているし、雨も今晩から明朝あたりまではシッカリ降りそうか。家にかなりガタがきているので困っちゃう。剥がれそうになっている側壁の一部が飛ぶかもなあ? まあいいか! その時はその時。
和ちゃんは今朝も元気にデイサービスへと向かった。介護保険法の中にあるアルツハイマー患者に対する項目で、和ちゃんのように、
『要介護2の人は週に3〜4回はデイサービスに通わなければならない』
と謳ってあると今朝も説明。これを日々繰り返して、義務感など湧き上がらないかもしれないけど、頑張って行ってもらおう。
しかし、昨晩の和ちゃんの爆睡は凄かった。午後7時前からウトウトし始め、午前4時頃トイレに行くまで起きてこなかった。オレはパソコンと睨めっこしながら、和ちゃんの寝顔を度々観察していたのだけれど、観ているとお袋というより小学生のようにも感じてしまう。やはり愛おしい。頭は仕方ないにしても、元気でいて欲しい。
オオ!! 今日はゴミゼロの日か。蜂谷師匠ご生誕の日だ。
蜂谷秀人師匠。お誕生日おめでとうございます。

★5月31日
台風最中、今朝も和ちゃん、デイサービス・ゆう倶楽部長浜へと元気に出発していった。
ところで昨日、和ちゃんはデイサービス・和みのときで入浴を嫌がり、結局入らなかった。連絡帳には、
「午後よりいつも通り入浴される予定でしたが、今日は後頭部が痛くてフラフラすると言われ、入浴はやめておくと言っておられます。30分ほど横になってもらい、又、血圧チェックしましたが、入浴はやめておくとのことでした。表情は良かったのですが...」
オレはちょっと困った。ここでの最優先事項は入浴することで、ここでキッチリ洗ってもらえばオレも助かるからだ。まあ、手抜きだけど。
和ちゃんに聞いた。
「どしたんなら和ちゃん。ほんとうに頭が痛うて風呂に入らんかったんか?」
「ウーン... なんか家に早う帰りとうなってなあ。お風呂へ入らなんだら早う帰れると思うて?」
ハッキリとした理由はオレにも分からなかった。ただ、和ちゃんは、やはり和ちゃんなりに悩んだり苦しんだりしているのだろう。
で、オレは久々に和ちゃんを入浴させた。問題もなく入った。とはいえ、なんだかオレは和ちゃんの身体を洗っていると腹が立ってきて、ブツブツと和ちゃんに当たり散らしながら入浴を済ませた。介護をやってると、自分の器の小ささが明確に分かる。情けない。
でも、10分後にはケラケラ笑っていたけど。その和ちゃんをオレは抱きしめオッパイを揉んだ。和ちゃんが叫ぶ。
「キャー!! そこはもう出んよ」

★6月1日
「おはようございます。和子さんの様子はどうですか? 長浜には元気に行かれましたか?」
昨日、デイサービス・和みのときの北の迫さんからメールが入った。長浜というのはデイサービス・ゆう倶楽部長浜のことだけど、一昨日の和ちゃんの様子から心配してくれてのメールだった。直ぐに電話を入れ、元気に出発したことを知らせたら安心してくれた。こういう人たちが和ちゃんを支えてくれている。
和ちゃんを支えてくれている皆さん、本当にありがとうございうます。オレだけだったら、オレ自身もパンクしてただろうし、和ちゃんのアルツハイマーもとんでもないところまで進んでいたと思う。いい人たちに囲まれている。
アルツハイマーにはなった。でも、どこかで和ちゃんを気遣ってくれている人がいる。これは、もしかしたら“幸せ”?
さて、昨日は午後6時半にはウトウトし始め、サッカーの日韓戦が始まった7時過ぎには、蛍光灯下で熟睡態勢に突入していた。オレは蛍光灯を消し、テレビにイヤホンを差し込み日韓戦を観た。
しかし、良くこんなに眠れるもんだとも感心する。起床時の午前7時までに2度起きたけど、ウンコも一発落下させたと報告あり。
とかなんとか書いてきたけど、もう6月だ。

★6月2日
今朝、歯磨きをしたあとの最初のゆすぎで、和ちゃんはその水を飲んだ。やはり、なるべく出来るだけ四六時中、観察注意しておく必要がある。歯磨き後のゆすぎでは、以前も何度か飲んでいる。
「飲むなよ」
と必ず注意しないとアブナイ。もっとも、アルツハイマーを宣告された当時、もう1年近く前になるけど、スプーンで歯を磨き始めたこともあった。だから今は、歯ブラシに歯みがきを付けて磨き始めるのを確認することにしている。
「アホウ!! なに飲みょんならクソアホウ」
しっかり罵声を浴びせた。ただ、なんで叱られているのか和ちゃんは理解できないようでビックリ。
オレは思う。ユニットケア云々と叫ばれだして久しいけれど、痴呆にはマンツーマンが一番ではないのだろうか? 国は在宅介護を奨励するも、施設だけは増え続けている。介護保険課で確認すると、岡山市でもまだまだ施設を充実? していく予定だとか。
国・各自治体は在宅へと。家族は施設へと。かなり現実は捻れている。オレは施設を充実させることに異論があるわけではない。ショートステイでさえ待機させられる時世なのだから。ただ、在宅介護を奨励しているのなら、情の通った在宅奨励をして欲しい。もっと具体的に案件を説明しないと意味不明になってしまうけれど、これは日記なのでここまで。
さて昨日、オレはまたまた和ちゃんを風呂に入れた。身体も洗い、髪も洗った。風邪に注意することもないのでノンビリと入れられる。和ちゃんも、
「ああ!! 気持ちがええなあ」
オレは汗ビッショリで、オレも二日続けて風呂に入ってしまった。

★6月3日
今朝もカラッとしたいい天気だ。二日間和ちゃんといたから、少しの間、オレもお出掛けしたくなる。デイサービスに出発したらオレも出陣するかな? 本も読みたいけどなあ!
さて今朝、オレは和ちゃんに和ちゃんの物真似をしてみせた。パンツにウンコを付着したときはだいたい同様なことを言う。
「ちょっとええ? あのなあ、怒られるかもしれんのじゃけどなあ、ウンコが付いとんよ。どうしょうか?」
和ちゃんにオレは尻を向けて肛門を拭くような姿勢を見せ聞いてみた。
「ええが。どうせあんたが洗うんじゃろ」
偉い!!

★6月4日
昨夕の和ちゃんは凄かった。6時半少し前にはウトウトし始め、6時半過ぎにはキッチリ熟睡していた。デイサービス・和みのときで散歩に出たり入浴したりで疲れたのだろう。疲れたという表現は違うかな? どちらにしても、頭も身体もシッカリ稼働させて帰宅したに違いない。
オレはといえば、重松清の熱球を読んでる途中で寝てしまっていた。しかし、人気作家の理由が少し納得できたかな? 今日は続きを読もう。和ちゃんは側に居てやれば、過去の請求書等々と格闘しながら悩んだり喜んだりしているから。時々、キャッチボールでスキンシップしないといけないけどネッ。
そういえば昨日、赤穂線の西大寺駅に向かう途中、名前は失念したけど介護職の知人に声を掛けられた。デイサービスセンターを立ち上げたから見学に来てみれば、ということだったのだけれど、デイサービスとかグループホームの立ち上がり方は尋常ではないような気もする。どこも、いいスタッフで臨んでいるからと言うけれど、どうなのかなあ? オレは信じられない。
で、ついでに記すけど、行きつけの喫茶店で蜂谷師匠に偶然遭遇してしまい、誕生祝いに紅茶とケーキをオゴッタ。流れからすると、オゴラサレタと表現するのが真実ですね。
でも、来週月曜日、また和ちゃんの写真を撮ってもらうのだけれど。オゴラサレ料金750円。全然惜しくないです。ホントーーニ惜しくないです。

★6月5日
昨夜は一昨夜から一転。和ちゃんはなかなか眠りに入ることができず、今日になる寸前まで目がさえていた。最近では2、3キロ歩いてもそんなに疲れないみたいだ。オレはお陰で? 重松清の熱球を完読できた。まだ彼の作品はこの熱球しか読んでないけれど、手本に出来る作家だと思った。もっとも、力量はオレが云々言える立場にはない。
さて今朝、オレがゴミ捨てから戻ってくると、和ちゃんはジャージを着てチョコンと座っていた。オレはオオ!! と驚いた。今朝はジャージのファスナーがきちんと上げられている。和ちゃん、いつもはなかなかファスナーを閉じることができないのに、今朝は閉じている。“子バカ”とでも言っていいのだろうか。ファスナーを閉じることができた和ちゃんをシッカリ誉めた。
「OK!! 和ちゃん、すげえじゃねえか。アルツハイマーが段々に良うなっていきょうるでホンマ。偉い!! 今日も頑張っていこうで」
和ちゃんも嬉しそうだ。オレの方がもっと嬉しいのだけれど。こんな日は、今日という日がいい方向に進むような気がしてならない。
で、今日、和ちゃんのデイサービス出陣を見送った後、オレは県庁の県政情報室に向かう。公文書開示決定通知書に従い、午前11時にここに入らなければならないからだ。請求した公文書は、
“事業所外で行う通所介護における機能訓練の取り扱いについて(平成13年11月25日長寿第1172号)”

★6月6日
やはりデイサービス効果というのは計り知れない。昨夕、和ちゃんは6時半前から眠り込んでしまった。ゆう倶楽部長浜からの連絡帳には散歩に出たと記されてあったけれど、確かに暑かったしお疲れさんだったのだろう。人間関係の気苦労も、和ちゃんは和ちゃんなりにあるらしいし?
だからといって深夜の2時とか3時には目覚めない。5時頃かな? このくらいだと、今は外も明るくなっているしオレもそんなにストレスにはならない。とはいえ、今頃の午後6時半といえば、まだ外は明るい。世間では、シッカリ働いている人たちがほとんどだろう。あーーあ。オレも世間から逸脱、遠ざかってしまったなあ!!
さて今朝、和ちゃんは9時にデイサービス・和みのときへ出発していった。猫ちゃんイラストの可愛いTシャツを着て行った。というより行かせた。昨日買ったばかり。
「なんか派手じゃねえかなあ?」
「ババアは少々派手ぐれえがえんじゃ。可愛ゆうてええがな。顔から下だけなら小学生じゃがな」
「そうじやなあ。ほんならこれで学校へ行こう」
和ちゃんにとってデイサービスは学校なのだ。そういう風に持ってきたのはオレだけど。
ところで昨日、
“事業所外で行う通所介護における機能訓練の取り扱いについて(平成13年11月25日長寿第1172号)”
を受け取ってきた。この通達を真摯に受け止め実行しようとすれば、デイサービス事業者は花見にも出られないだろう。これは確信を持って言える。もっとも、県は現実性あるものに変更しようとしているという話だけれど?

★6月7日
午前8時半。今朝も清々しい。もっとも梅雨入り間近とのことだけど。
和ちゃんはさっき、デイサービス・ゆう倶楽部長浜へと向かった。しかし、元気だ。昨夜もシッカリ眠った。真夏日だった昨日の疲労はないようだ。オレは少し参ってるけど。若い頃は熱烈歓迎だった夏も、今のオレには遠慮して欲しい。
「和ちゃん。今日も元気そうなのう?」
「うん。まあな。せえでもこれは私一人の力じゃないんよ。皆さんが『和ちゃん、和ちゃん』ゆうて優しゅうしてくれるからなんよ」
オレはビックリ。アルツハイマーの和ちゃんの口から出た言葉とは思えないけど、事実そう言った。なにかの影響で、普段は外れている箇所が間違ってピシッと接続したのかもしれない。そしてどういうわけか、ピシッと接続したものが、いつのまにやら簡単に外れてしまうのだけれど。でも、そんなことはどうでもいい。今朝も二人してシッカリ笑った。和ちゃんが凛としていた頃には、二人して大笑いなどしたことはほとんど無かったのだから。
さて昨日、NHK岡山ディレクターの井坂さんが久々に訪ねてきた。午後5時過ぎから始まる“きびきびワイド”を担当しているとのことで、この春からリニューアルした責任者だったということを本人から聞いた。
もちろん、和ちゃんとオレの介護風景取材が基本にはあるのだけど、井坂さんからいろんな話を聞き、オレの心も若干リニューアル気分になっている。やはり、いろんな人生観なり現実を聞き、知ることは楽しい。でも、いつかテレビ取材となるとしたら和ちゃんはどう反応するだろう? その時まで内緒にしてぶっつけ本番にするしかない。
ただ、テレビ取材が現実化しようがしまいが、井坂さんにはまた訪ねてきて欲しい。この人は、東京大学のイメージを払拭させてくれる。
じゃあ、オレもお出掛けしよう、とネッ。

★6月8日
天気予報によると、お日様が射すのも今日あたりまでとのこと。いよいよ梅雨か! 鬱陶しくなるなあ!!
ただ今、午前7時45分。朝食を済ませ、といってもパン食だけど、和ちゃんはテレビを観ている。テレビは炬燵の上に置いてあるのだけれど、炬燵が炬燵のまま残っている。つまり炬燵布団も真冬のままの状況。そろそろなんとか片づけないと。などと思い始めて一ヶ月。
しかし、和ちゃんは入れ歯を外すと、やっぱお婆ちゃんになってしまう。今、入れ歯を消毒中で口から外してある。和ちゃんが笑うとドキッとさせられる。上側の右半分のほとんどが入れ歯だから、笑うとバランスがとれなくて顔が少し歪む。ちょっと恐い。
さて、今日は暑くなりそうなので早くに買い物に行こう。もちろん和ちゃんと一緒に!!

★6月9日
いやあ!! 今日は疲れた。
今、林病院での診察から帰宅し、和ちゃんの身体を拭きパソコンに向かっている。午後1時40分。昼はコープで食べた。
で、今朝の診察では脳のCTを撮った。林先生の診断では、脳の縮小などは見あたらないとのこと。もちろん1年前と比較してだけど、いい兆候だ。とにかく、笑顔が多い。
ただ、長谷川式は7点から5点に降下したけど、以前は固有名詞が出なかった“時計”“消しゴム”が言えた。あまり点数にこだわることもない。
今日の一連の流れは蜂谷師匠のカメラに全て収められた。近日中にHPにアップしよう。今日は無理を言って、血液検査での注射針で血液を抜いている所。CT写真を撮る設備に身体が入っている所等々を撮影。他の人のHPにアップするモデルになったり。和ちゃんは今日、二十人近い人たちと会話したのではないだろうか。
ご苦労様でした。
ご褒美に今日は花を買ってきた。これから一緒に花を活けよう。

★6月10日
なんかヤッパ鬱陶しいなあ!! 西大寺近辺は早朝に小雨が降ったけど、天気予報によるとなんとか今日は曇りらしい。和ちゃんは元気。昨日の疲れはない様子だけれど、朝は頻繁にオシッコに通う。この辺りが不思議なのだけれど、いったん外出してしまうと4時間程度はオシッコに行かない。眠ってしまえば、6〜7時間そのままの時もある。今朝の場合は30分〜40分おきに放出。ウンコもついでに一発落下。
オレは右背筋が痛い。昨夕、和ちゃんとキャッチボールをやっていて、ボールが段ボールを重ねている下に入り込み、それを右手を突っ込んで取ろうとしたら右背筋に電気が走った。運動不足なのかなあ?
フィットネスクラブあたりでトレーニングしながら、フィットネスしている姉ちゃんを観賞したりできたらオレのストレスも一気に解消間違いなし。
いろんな意味で、いい汗をかきたいなあホンマ!!

★6月11日
いよいよ梅雨入り。本格的に鬱陶しい日々の連続になるのかなあ? と悩みつつ、今朝はウッスラと日射しがこの部屋に差し込んできている。オレもとりあえず、今は主夫。洗濯物の乾きが気になる今日この頃です。
しかし、専業主婦云々で年金問題まで発展しているけど、主婦はエライ!! と思う。オレには家事全般はキツイ。あまりやってはないけど、考え計画するだけでシンドイ。計画しなければならないということが根本的に体質に合ってないのだ。はーーーあ!?
和ちゃんは今、今朝も相変わらずテレビの前にいろんなモノをいろんな所から持ってきて納得したり悩んだり。これが絶好調の証なのか? オレは、なるべく早く小判一枚でも発見してくれるようお願いしている。近々には発見もありえるとの和ちゃんからの報告。頑張ってください。
貧民に光を!!
和ちゃんがさっき、オレを見て笑った。入れ歯を消毒中なので、文字通りの婆さんになっている。この婆さんと今日も一緒に買い物に行こう。もちろん入れ歯を填めて。
ところで、県内でも新規デイサービス事業所とGH(グループホーム)を頻繁に目にする。認可が甘いのか? 誰でも彼でも設立できるのでは? と思わせる。まあ、特養だって利益のみを考える施設は以前からいくらもあった。病院経営の税金対策で設立された特養だってある。これは、行政側から話しが病院側に持ち込まれたとオレは聞いている。知る人は知っているけど、ほとんどの人はこんなことは知らない。
で、GHだけれど、“利用者本位”という言葉を多様するところがある。例えば部屋に閉じこもって寝ていても、家族が訪ねて聞くと、
「お父様が寝ていたい、とおっしゃるので」
でもなあ、プロの介護者ならそこをなんとかして一人切りにさせない対策が必要なはずだ。時にはいい。ただ常時これなら困ったもんだ。それと、人件費対策に間違いないのだけれど、職員のほとんどが若い。オレも47歳になって、やっと47歳の気持ちが分かるようになった。身体も気持ちについてこないし。
若い力は必要だけれど、若い人ばかりではダメだ。
とにかく、ユニットケアだ個室だと介護研究者とか大学教授は言うけれど、オレは信用しない。まず、先生方よ、オムツ交換でウンコまみれになってくれ。デンマークまで行くカネがあるなら、いくらでもオムツが買えるぞ。

★6月12日
昨日、買い物に出たとき、普段よりかなり多めに歩いた。和ちゃんは歩いている時間を含めて立っていた時間は1時間と少し。途中休息を入れて1時間40分を買い物時間に費やした。
帰宅して10分ほど休憩して和ちゃんの血圧を測ると、116−74。脈拍数も分66。和ちゃんはもしかして、オレより持久力があるかも? まあ、それはないけどかなり調子が良さそうではある。確かに、オレが知る限り昔から頑健のイメージが強い。
和ちゃんはこれからデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと出陣。髪をピンでとめている。
今日も、しっかり楽しんで笑ってきて欲しい。
オレはどうしようかな? やらなければならないこともあるにはあるけど、時間制限の呪縛から解放されない限り....
“元気があれば、なんでもできる”か!!

★6月13日
今週の和ちゃんは多忙だ。月曜日の病院定期診察と週4日のデイサービス。中一日の水曜日は普段の買い物時より多く歩き、少々お疲れ気味?
昨夕、
「わたしゃ眠てえから」
と言って、6時半から眠りに入た。起床までに2度ほどトイレに行ったけれど、今朝の午前6時45分まで目をつむってウトウト。普段だったら5時頃からはゴソゴソ始まるのに。
とはいえ、パンを食べ歯を磨き顔を洗ったらスコブル元気。オッパイをモミモミしてやると、
「キャー!!」
と叫びながら転げ回る。
「和ちゃん。オッパイ揉まれたら、そねえ気持ちがええか?」
「アホばあ言われな。くすぐったいんじゃが。気持ちがええことやこうあるもんか。あんた、ええ人(女性)見つけんといけんよそりゃあ!!」
と言いつつ、嬉しそうに大笑いしている。オレは和ちゃんのオッパイを揉む時、なるべく抱きしめてから揉むようにしている。もちろん和ちゃんに恋しているわけではないけど、恋人のように抱きしめると心は通う? のではないだろうか。
考えてみると、和ちゃんにとってオレは息子ではなく赤の他人なのだから、76歳の和ちゃんの気分・気持ちが高揚したりして? 今の世の中、なんでもありだから恐い。桑原くわばら。
そろそろ和ちゃんの夏用ジャージズボンを買わないとなあ。今朝も冬用で出陣。ちょっと子供服売り場でも覗いてみるか。

★6月14日
今朝も元気に出発していった。ワカメちゃんカットの和ちゃんが。昨日、デイサービス・和みのときの料治さんがカットしてくれたのだ。なかなかいい。経済的にも美容院でカットしたら、一般的には3000円は必要だろうし? GOOD!!
ところで、昨夕、蜂谷師匠が撮ってくれた写真をHPにアップした。いい写真ばかりだけど、振り返ってみると、病院側にずいぶん図々しいお願いをしていると思う。担当の林先生には感謝しなければならない。ありがとうございます。
蜂谷師匠には、コーヒー2杯と昼飯をオゴッタ。トータル1500円。まあ、1時間の撮影で3万円収入がある人だから、1500円はボランティアのようなものだ。いつもお世話になります。本人がこれを読むとイヤミと受け取るだろうな。ケケッ!!
さて、オレはこれから風呂掃除でもしよう。あーーあ。蒸し暑いのに嫌だイヤだ。二汗かきそうだなあ?

★6月15日
今朝も普段通りの一日が始まった。現在時、午前7時48分。
朝食を済ませ歯磨きと顔を洗い、和ちゃんは今、テレビを観ながらテレビから発せられる音声に納得しながら頷いている。頷きながら笑うと顔が歪む。入れ歯をポリデントで消毒中なので、歯のないぶん顔のバランスがとれないでいる。この写真を撮ってもアップできないかなあ? 今、
「シッコシッコ」
とブツブツ言いながらトイレに入った。トイレ内からハミングもどきの声が聞こえてくる。体調は良さそうだ。ただ、この2日間はウンコの放出はなく、今朝もまだないので今日は大きめのヨーグルトでも食べさせよう思う。
「和ちゃん。今日は一緒にどこえ行くんじゃったかのお?」
「ウーーーーーン????・・・食べ物を探しに行くんじゃろ?」
“買い物”という言葉が出てこない。とはいえ、当たらずとも遠からず。OK!!

★6月16日
やはり狙い通り、和ちゃんは今朝ウンコを一発放った。昨日、大型ヨーグルトを食べさせたからだと想像するのだけれど、自己申告なので大きさとか色等々は明確ではない。まあ、ウンコを出した・出さないを間違うことはないと思う? けどなあ??
さて、昨日は和ちゃんを風呂に入れた。デイサービス・和みのときで火曜と金曜は入浴してくるので、日曜をローテーション化すると週に3日入浴することになる。梅雨時はこれでやっていこう。真夏は、オレがもう少し気合いを入れる必要に迫られそうだけど。と言いつつ、オレも、なんと6日間連続で入浴している。自分で自分を誉めるほどでもないけれど、なかなかヨロシイ。
今、午前8時7分。和ちゃんは増えることはない5円玉を入れた小袋の中から5円玉を出して数えている。
「あんたになんか買ってあげたいんじゃけどなあ。お世話になっとるから。これから少しづつ貯めていこうと思うとんよ」
「和ちゃん。どうやっておカネ貯めるんなら?」
「どこかええ所(働く場所)ねんじゃろうか?」
「和ちゃんがおカネ払おたら働かせてくれるかもしれんで」
「ホンマ? おカネ払わんといけんの? ダメじゃなあ」
とりあえず、会話にはなっている。よしよし。

★6月17日
今朝も和ちゃんは、元気にデイサービス・和みのときへ北の迫さん運転する車で出掛けていった。かなりブカブカの白地Tシャツが可愛い。胸には緑色のお魚さんのイラスト。これは、食べられたあとの尾頭付き骨状態を微笑ましく描いているイラストだけどオレ好みなので和ちゃんに着せた。最近はかなり派手目なものでも来てくれる。オレの着せ替え人形みたいなものだ。
でもなあ、なんか、ふ・し・ぎ。
デパートにはほとんど立ち入らないけれど、スーパーなんかに行くと和ちゃんの着るモノが気になる。オレのモノはほとんど買ってない。ある意味で、オレの子供のように思えることさえある。確かに、
「和ちゃん。歯磨き」
「ハイ」
「ちゃんと歯の裏も磨くんで」
「ハイ」
「ヨッシャ。OK!!」
「ありがとう」
そしてオッパイをモミモミ。和ちゃんからジャレてくることはないけれど、結構和ちゃんはジャレるのが好きなようだ。嬉しい、楽しい、可笑しい。それぞれ微妙に違うけど、笑えるのならなんでもOK 。
我が家は我が家だ。オレと和ちゃんのカップルはオレたちだけなんだから、オレたち流に生きていけばいい。

★6月18日
今日は一日、雨模様。どうしようかなあ?
和ちゃんは今朝も元気。元気イッパイと言った方が正解。デイサービスはお休みなので一緒に過ごすことになるけど、まあ特別なことはやめとこう。
今日はノンビリ。
では、和ちゃんの入れ歯でも磨こう。

ps
午後から雨足が強まるとのことで、速攻でオレ一人買い物で出た。30分後、帰宅したら和ちゃんが自習をしていた。“大根”という漢字と“レンコン”というカタカナがノートに書かれている。文字は変形しているが正しく書けている。
「学校(デイサービス)でテストが時々あるからなあ」
とのことだ。
テストがあるとは聞いてはないけど、なかなかよろしい。
痴呆診断・長谷川式5点に負けるな和ちゃん。

★6月19日
台風6号か。なんか、いやに今年は台風が多いなあ。
さてと、和ちゃんは元気イッパイでデイサービス・ゆう倶楽部長浜に向かったけれど、出掛けに靴を履きながら一言。
「あのなあ。この靴、一番ボロッチイゆうて有名なんよホンマ」
確かに23センチで茶色の靴はアチコチが剥げている。本当にボロッチイ。そろそろ買ってやらないとと思うのだけれど、靴は本人が最初に履いてみないことには面倒なことになる。オレが23センチを買って帰ってもフィットしないことも多いからだ。
和ちゃんを連れていくのがちょっとシンドイ。ダイエーにいいのがあるんだけれどなあ。岡山駅前だからアクセスはいい。いいのだけれど赤穂線を使って行くと一日仕事になる。少し対策を練ろう。オレは車の運転出来ない人だから。
ところで、5月に幻冬舎から発売されたばかりの『廃用身』を読んだ。阪大医学部卒で現役医師が書いた小説だけれど、なんとも際どい物語だ。“はいようしん”と入力しても『廃用身』とはデスクトップには現れない。こんな言葉、オレは知らなかったけれど、れっきとした医学用語らしい。
“脳梗塞などの麻痺で回復の見込みがない手足のことです”
と、冒頭に紹介されている。
内容はといえば、この手足を切断・・・・。
オレは一気に読んだけど、ちょっとオドロオドロしい。でも、プロ.アマ問わず、介護関係者には興味ある内容だと思う。

★6月20日
驚いた。
昨日、メールを開くと、宮城県仙台から講演依頼の打診が着信していた。とりあえず、あくまでも打診。このHPのポストからメールは発信されたわけだけど、インターネットの力にはやはり驚かせる。
オレは過去、偉そうに聞こえると困るのだけれど講演数は100回を超える。最少人数は3人。最多数は800人。西は広島。東は東京。仙台というのはどうしても一泊二日になるので、もし決まったら和ちゃんをどこかに泊めてもらう必要がある。まあ、これはなんとでもなるけれど、和ちゃんは寂しがるかもしれない。ただ、そういう体験も一回ぐらいは必要かもしれない。まあ、和ちゃんを預けるにしても信頼できる所ばかりだからオレは安心だけどネッ。
今、和ちゃんは毎朝恒例の、オレには理解できない意味不明のかたづけを行っている。一人遊びは得意らしい。
しかし、凛として厳しかった野田和子は本当に“和ちゃん”になってしまったなあ!!

★6月21日
「ウンコが出んなあ?」
と和ちゃんはブツブツ言いながらも、普段通りデイサービス・ゆう倶楽部長浜へと向かった。
しかし、今朝は東からの日射しが眩しい。多少ジメジメ感はあるけれど、久々の陽光のような気がする。暑くなりそうだけれど、悪くはない一日の始まりのような気はする。どうかな?
昨日はアチコチに電話をかけまくった。オレの本(背番号13青春録)が7月1日に納本されることになり、とはいっても店頭売りはもう少し先だけど、オレはオレなりに販売促進をしなければならないからだ。高校野球部時代の親友は100冊とか50冊、引き受けてくれる。ありがたいことだ。感謝。
“感謝”
昨日書いた和ちゃんの件でも、快く受け入れてくれる介護職の友人がいる。その本人と話しているとき、オレは表面上は変わりなく会話していたけど、素直に心からヨロコビを体感していた。
介護の世界もビジネスライク旺盛。
でも、人情・優しさ・思いやりを優先順位の前面に打ち出して奮闘している介護職の人たちが存在することも確かだ。事実、オレの周囲には多い。
和ちゃんのサポーターの皆さん。ありがとうございます。

★6月22日
ウヒャー!! 疲れた。
今朝も8時から町内のドブ掃除。各家々から出ている中でオレが一番若手だから率先してドブの中にも入らないといけない。もちろん、各家々にはオレより若い連中はいるけど、やっぱ町内の行事関連には出たくないのだろう。オレもそうだった。踏ん張るしかないな。
でもなあ、とりあえず2時間は家を空ける必要があり、和ちゃんのことが心配。ドブ掃除を終えて帰宅するとテレビを観ながら笑っていた。
“子の心 親知らず”
さてと。午前11時だけどオレは缶ビールを飲みながらパソコンに向かっている。ドブ掃除をして洗濯をして風呂に入って、なにやらとってもとっても喉がカラカラ。飲むしかない。でも発泡酒。Asahiのドライが飲みたい。飲みたいけど発泡酒より高い。貧乏は哀しい。
オッ!! そうそう。昨日、オレは、オレと和ちゃんが生活している一部屋を掃除した。昨日まで、炬燵が真冬同様の状態だった。もちろん炬燵に電源は入れてないけど、炬燵布団はそのまま。夜、和ちゃんはその掛け布団を掛けて寝るのだから寝汗をかく。で、オレはスコーンと炬燵机だけの状態にし、和ちゃんの敷き布団のシーツも替えた。
オレは昨日も今日も頑張ってまーーす。
今日は、和ちゃんを風呂に入れよう。

★6月23日
午前7時45分。今朝も早くから日記を書いている。日記なんていうのは、その日の反省等々を含め夜書くのがセオリーだろうけど、そんなことは言ってられない。
書けるときに書く。
書こうと思うときに書く。
これじゃないと日々更新は難しい。しかし、オレ自身も感心するけど、毎日よく続くものだと思う。もはや仕事化している。この日記から、多様な人間関係が生まれ、そこから仕事に繋がることもあるのだから。
とはいえ、これは和ちゃんのアルツハイマー日記。ライターとしての立場からはトラブルを歓迎しなければならず、一人の息子としてはトラブルなどあって欲しくない。ややこしい。
でも、和ちゃんのアルツハイマーが進行すれば毎日更新なんていうのは絶対無理なはずだ。
“アルツハイマーほのぼの日記”
あたりで継続できればベストだろう。いや、そう願う。
で、昨日、和ちゃんを風呂に入れた。湯冷めなどの心配も必要ないので落ち着いて入れられる。和ちゃんもなかなか調子が良く、オレの指示通りに動いてくれる。ただ、左右は理解できないので、
「右手をあげて」
といっても混乱する。脇腹などを洗うときには、
「両手をあげて」
となる。
夜。宮本武蔵を観ながら、可愛いイビキを轟かせ深い眠りに突入していった。

★6月24日
今日午前、市民病院へ行き高血圧と自立神経失調症の薬をもらってきた。診察を終え支払いをするため並んでいたら、前二人目の女性の所で停滞している。チラッと覗くとカウンター内では銀行から派遣されている女子行員がテキパキとかなりの量の一万円札を数えている。それを、三度繰り返し、最後にパチッと鳴らす。
「96万円お預かりします」
オレの脳細胞はキャーと悲鳴を上げている。もっとも、高額医療費控除で90万円ほどは後々戻るのだろうけど、オレはアラタメマシテハーと考えなおしてもやはりキャーだ。
たぶん、前二人目の女性は近親の誰かの付き添いをしているのかもしれない? 現行下の法律で付き添いはできたかな? 家族ならいいんだよな。とにかくビックリした。
ところで昨夜、オレは久々に深い眠りに入っていた? 入っていたような気がする。で、フッと目を覚ますとビックリ。和ちゃんがオレの目の前に顔を持ってきて、
「オシッコどこかなあ?」
「アホウ!! そこじゃがな」
もうそれっきり、深い眠りにつくことなくオレは朝を迎えた。