序章5 3.27〜4.12夜
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★3月27日
26日の午後5時35分。和ちゃんがデイサービス・さっちゃん家から帰宅した途端に突風が吹き荒れ、今、和ちゃんはオレの枕を一生懸命にほぐしている。ほぐしている、としか表現のしようがない。でも、和ちゃんは真剣だ。
明日の27日は日曜日。和ちゃんと一日一緒。さて、どうなるか? 長閑に過ごしたいなあ!!
しかし、孫が介護しているケースというのは以外に多いんだ、ということが最近とっても理解できました。なかなか面白そうなHPを発見したけれど、とりあえず内緒にしとくか....

★3月28日
現在時は27日の午後8時5分前。和ちゃんは布団の中からこちらを見ている。今日はかなり暖かかったので襖を開けている。
しかし、今日は一日一緒にいてもそんなに長く感じなかった。まあ、昼食の冷やしうどんに箸をなかなか手をつけないので猛烈に怒りはしたけれど、比較的、長閑な一日ではあった。
そんな中、HP、とくに最近はブログでアップしている人たちが多いけれど、やはり施設に預けて日記を綴っている人のを読むと、施設への注文が多いのが一般的のようにも感じる。確かに、面を出しているわけではないのでオモイッキリ書ける利点はあるけれど、オレはなんだか反則のようにも感じる。文句を言っているわけではない。そう感じるだけ。
特に、介護職でありながら、介護技術と魂を教える立場でありながらも我が家族を施設に預けたとなると途端にトーンダウンする人たち。そんな人たちに、オレは教える資格があるように思えない。とにかく、介護を生業にしているのであれば、施設に人質に取られている、などとの発言は控えて欲しい。キッチリ、勝負して欲しい。できないのなら、教えない。
そりゃあ気持ちは分かる。でもなあ、そういう立場の人間が声を上げなければ、日本の介護、施設介護の現場は腐蝕する一方だとオレは確信している。
介護が契約になった。とはいえ、契約通りに事が運んでいるのだろうか? GHの多くは、なんだか変だ。オレは最近、面が割れているので昔のように忍者モドキで入り込めないけれど、まず費用対効果ありき、の所ばかりだろう。サービス産業だからな。
オレなんか頻尿に、一日2回はクソを捻りだすから、寝たきりになったりボケて施設入所などしたら罵詈雑言を浴びせられること必定。恐いコワーーイ。
なんか、いろんなHPにジャンプしすぎたかなあ!?
そして今、28日の午前9時10分。和ちゃんは元気にデイサービス・さっちゃん家に出陣したけれど、昨夜のオシッコ空打ち3連発でオレは眠れず。シビレルほどキツイ!! 深夜、体位交換に励まれている皆さん、ご苦労様です。

★3月29日
これは28日の午後6時46分に記している。和ちゃんが眠いというので和ちゃんは布団の中。でも、まだ和ちゃんは眠らないだろう。最近、極端に単語数が減った。本当に眠いのか? 判断がつかない。ただ、またまたウンチがチビチビと出始め、困ったなあ!! 状態。明日、キッチリとウンコが出て欲しい。オレは疲れているのだけれど、疲れがギリギリなのか? これも判断つかない。万年疲労だからなあ。
今日、一昨日に続き風呂に入った。素晴らしい。もっとも、少しづつ暖かくなっているので、発汗したりすると身体が痒いのだ。しかし、風呂の中をジックリと観察すると凄いことになっている。当然、少し濁ってはいるけれど、風呂床が滑る。オレの陰毛もかなり浮遊しているし、わけの分からない物体もアチコチに。完璧に省エネライフ。陰毛か? 四、五年前から白いのが増えてきたなあ! 哀れ。

日付が変わり29日の午前9時。少し前に和ちゃんをデイサービスに送り出し、パソコンに向かっている。
和ちゃんが、やはり“息む”ということを忘れている。オシッコの誘導、2度の滴便。昨夜はとうとう一睡もできず。今、和ちゃんのお尻を拭いたタオルと和ちゃんのウンチが付着したオレのジャージを洗っている。オレはかなり発狂しそうな状態にある。和ちゃんは、ウンチをチビチビ出しながらデイサービス・さっちゃん家へ。痴呆(このHP内で認知症という語彙を使用する気はない)要介護4の世界は半端ではない。
で、当分、日記のアップはない。それどころではない。一夜の疲れが長く尾を引く。仕事以外のメールは遠慮願います。いただいても返信はできません。
とはいえ、不愉快なメールに対してはキッチリと応戦させてもらいますから。
今、和ちゃんが生きて笑顔を振りまいている。この笑顔を失いたくないからオレも遠慮しているだけだから。

★3月30日
講演できるかどうか? の確認が一件あり。
現在時は29日の午後7時16分。とりあえず和ちゃんは布団の中。今日、デイサービス・さっちゃん家でかなり不穏だったらしい。ウンコチビチビが続いているからなあ。なんとかしてやりたいけれど、息まないからどうにもならない。
オレはシッカリ疲れていて、怒る気力もない。こんな事もあるんだ!! と気づく。ただ、平常心でないような気もする。イライラしているのだけれど、閉塞感かというか諦め? そして不憫に和ちゃんを思う気持ちが強いような...
オレ自身が不穏か?

★3月30日朝
今朝6時過ぎ。和ちゃん、自力でウンコ大を放出。前日からの量を合わせると特大になる。なんとかヤレヤレ。しかし、今朝のも太かった。でも、息めば出るのだ。後から、頑張れエールを送るだけでオレは息が切れるけど。
昨夜、和ちゃんはキッチリ11時間は眠っているはず。オレもそこそこ眠れた。外の陽ざしが眩しすぎる。

★3月31日
なんだか、日付変更線がまるっきりデタラメになってしまっている。現在時は30日の午後7時40分。今夜あたりは、当たり前の生活をしていると日本vsバーレーン戦のワールドカップ予選に釘付けになっているはずだ。和ちゃんが凛としている頃、中田英の大ファンだったから。70歳を超えて、かなり燃えていた。あの頃、一緒にテレビ観戦していたらと後悔。
和ちゃんのデイサービス・さっちゃん家での今日は、かなり調子が良かったらしい。オシッコを自己申告し、大量放尿したと報告があった。昼食もほとんど食べたらしく、ウンコ放出が背景にはあると思う。
29日の午後7時頃だった。デイサービス・さっちゃん家の三木さんから紙オムツ購入の件で電話が入った。ついでにショートステイにもついても相談したのだけれど、やはりオレに余裕があるときから和ちゃんに馴染ませていた方が良い、とのことだった。29日の夜は真剣に考えた。疲れ切っていたから。でも今朝。オレが布団の中から和ちゃんに敬礼すると、和ちゃんはニッコリしながら返礼の敬礼をした。素晴らしく幸せを感じてしまう。ショートに入れて、和ちゃんに敬礼してくれる職員がいるだろうか? 些細なことだ。だけど、こういうささやかな幸福感がショートに待った!! をかけてしまう。オレも睡眠がとれていたから余裕もあった。決断力不足だ。
31日朝になった。眠らせてもらえなかった。和ちゃんも眠っていない。そして、いろいろあった。詳細を記す気力なし。

★4月1日
疲れた。ショートステイを決断。しかし、健生園に電話入れるも4月は空きなし。
空きがないなら仕方ない。相談員も対応に苦慮せざるえないだろう。オレはアッサリと受話器を置いた。
なんだか、久しぶりにシミジミと孤独感に覆われている。
ここからは1度アップしてから再アップしている。
5月4日〜5日にかけての一泊二日で健生園にショートに予約を入れた。やはり疲れている。オレは、入れる前にはむつかしい事をほざく。中岡さんには以前、我が家を訪問してもらったとき、ショートへの不安と不備についてキッチリ発言した。ショートを含め、90人の入所者を昼は5人、夜は4人(仮眠で2人)では和ちゃんの現状維持は無理だろう? と。今でも、その確信は揺るがない。
ただ、それを承知でショートにお願いする。ここからがオレの敗者復活戦ということになる。だから今は、序章なわけだ。
しかし、この日が連休、ゴールデンウィークであることなど全く念頭になかった。やはりオレは浦島太郎状態だ。

★4月2日
1日の午後7時45分。今日がエイプリルフールだったというこを先ほど気づいた。ウソをオレに言ってやろう、などという人間はいないのかもしれない。そりゃあそうだ。オレの現実を認知していれば、遠慮せざるえないだろう。それは、それで淋くもある。もっとも、オレ自身もエイプリルフールだからといって軽く聞き流せるかどうかも疑問だ。“板子一枚下は地獄”状態を現在進行形なもんで。“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”と決意はしたけれど、実践は簡単ではない。
さて、4月のショートステイはどうにかならないか? をケアマネジャーの長谷川さんに相談した。長谷川さんは、和ちゃんを和ちゃんと呼ぶ数少ない介護職であり我が家族の力強いサポーターだ。彼女に対しては過去、いろいろ文句やケチや難癖をつけてきたけれど、長谷川さんはオレたちに良くしてくれる。和ちゃんがアルツハイマーを患ってから彼女一本。もう、他のケアマネジャーには頼めない。まあ、寿退職ということも考えられなくはないけれど、そんな様子はあるのかなあ? 彼女はキッチリと美人。これはオレが太鼓判を押す。長谷川さんには迷惑か? 話しが逸れた。
で、長谷川さんからの情報だと、オレと和ちゃんが以前、見学に行った“岡山ひだまりの里病院”のショートがなんとかなるのでは? とのこと。オレの身体がSOSを発信しているので、和ちゃんが不穏で過ごすことは致し方ないことを前提で預ける。空きがあれば。偉そうな事を書いているけれど、この前提についてはこの病院の理事長と病院長にもハッキリ口頭で伝えた経緯がある。言うことは言う。事実、小規模デイサービスのように気配りできるわけがないのだ。人員が足りない。それを承知で預けるのだから、和ちゃんには不憫だけれど、長期戦を視野に入れると選択肢はこれしかない。踏ん張って欲しい、和ちゃんに。
今、デイサービス・和みのときではほぼマンツーマンで和ちゃんに接していてくれる。感謝。要支援等軽度の利用者さんも少なくないし、それが基盤にはあるかもしれないけれど、息子としてこの気配りには心熱くさせられる。今、和ちゃんをサポートしてくれる人がオレにとって一番の近親者だ。とにかく、和ちゃんの周囲の人は温かい。オレは他人様に温かくできるだろうか? というか、したことがないのだから、できないに違いない。
今日もつくづくと思う。優しさは宝モノだ。オレも持ちたいのだけれど....

★4月2日朝
昨夜はかなり眠れた。和ちゃんは午前3時にパッドへ大量のオシッコ(250CC)を出すも、起床するまではそれ一回。パッドも放置しておけば和ちゃんはそのまま眠っていたのだろうけれど、それ以上の放出となるとパッドの許容量を超える。午前7時半起頃にもパッドに200CC出していたし。
今朝は和ちゃん、泣いてばかりいた。ただ、起床時、オレの顔が和ちゃんの顔に近づくとウィンクしてくれた。そしてデイサービス・さっちゃん家へ出陣時、車の中から一生懸命に手を振って微笑んでくれた。
ウーム!? ショートステイの決意が揺らぐ。あの笑顔を見ると、愛おしくて仕方ない。

★4月3日
和ちゃんのオシッコ機能が著しく低下している。4月1日の午後6時から今日の昼食後までの15回連続で尿採りパッドへ放出している。昨夜0時10分には自ら起きてトイレに行こうとするも少し失禁済み。その後、かなり放出はあったけれど。昨日、デイサービス・さっちゃん家の昼食がカレーライスだったといこともあり、尿に香辛料が混ざっているのか猛烈に臭う。参った!! 夏? 悲惨だろうなあ!!
そんなこともあり、オレは今日、荒れに荒れた。和ちゃんのお尻は明日、青痣ができているにちがいない。隠そうとも思わない。昼食のうどんをぶちまけられ、チビチビ続く尿漏れに対応して今日だけでも7枚? のパッドを替えている。その度、性器周辺を濡れタオルで拭いた。これはこれでいい。しかし、トイレで座ろうとしない。立ったまま尿が飛び散る。オレの布団にもポトリ。辛抱たまらん。これを虐待というなら手本を見たい。岡山県では高齢者虐待対応マニュアルのような冊子を配布しているけれど、所詮、オレの手助けにはならないだろう。それは、そのシンポジウムらしきでの検証を山陽新聞で読んだけれど、甘い。きつくてキツクテたまらん。
でも、和ちゃんはオレに叩かれ蹴られしながらも、その後、オレに笑顔を振りまく。これがまた自己嫌悪となって跳ね返ってくる。母の笑顔とせっしながら涙する中年オトコ。滑稽きわまる。怒鳴りすぎて声が枯れた。
和ちゃんらしく生き、生活してもらうためにはどうすれば良いのだろう? 錯乱し、暗中模索・五里霧中。
さて今、図書館の縦断検索をかけると、オレの本が北海道旭川市図書館内に3冊入り7人予約待ちしている。全国の全てを確認できないけれど、10人待ち以上の図書館もかなりある。オレとは一面識もない人たちがオレの本を予約待ちしている現実。なんだか不思議だ。
“アルツハイマーのお袋との800日”と現在進行形にはギャップというか、時間差がありすぎるような気がしてならない。

★4月4日
今朝、和ちゃんは元気でデイサービス・和みのときに出陣していった。お尻に痣はなかったけれど、立ってトイレでオシッコした時にオレの足で踏みつけた和ちゃんの両足の上部が少し痣になっていた。トイレは普段通りに戻った。
これから市民病院へ定期検査。昨夜はそこそこ眠れたのだけれど、身体がシビレルほど怠い。血液検査もしてもらおうかな?

★4月4日夜
和ちゃんの排尿サイクルが正常に戻った。チビチビが止まり、なんだかホッ!! しかし、サイクルを考えると、そろそろウンチのチビチビが始まり出す頃。頭が痛い。まあ、段々には慣れてきたけれど。今、尿採りパッド3種類3セットを備蓄。特別、これだ!! という商品はないような? 逆に言えば、どれも、優れモノ。
最近、和ちゃんのウンチとオシッコに振り回されている。もっとも、食事も大変で、お茶の中にゴミを入れたり、食べている最中に近くにあったヒモを口に入れたり。リンゴジュースを手の平に受けようとしたり等々。
試練? そこら辺の修行よりキツイんじゃないのアルツハイマー病介護は?

★4月5日
今朝6時40分。和ちゃんは布団からガバッと起きだし、
「お便所、行ってくらあ」
一人で到達できるわけではないから付き添い、一段高い和式トイレに立たせると自身からズボン等を脱ぎ、しゃがんだ。誘導して排尿をさせようとするとオシッコの姿勢をとらないで立ち続ける。昨夜もそうで、パッドには後で計ると170CCの放出量。あまりに拒否反応が強いので、残尿があるかどうか分からないけれどパッドだけを替えた。1回で替えとかないと2回分では漏れることもある。尿採りパッドのほとんどに2回分と表示されているけれど、各人それぞれ排尿量は違う。どのくらいの量、耐えられるのか記していてくれると助かるのだけれど。400CCは無理だった。
さてと。この日記も“塵も積もれば山となる”で、あと少しで原稿用紙にして1000枚の量になる。1000枚といっても40万文字。400字詰め原稿用紙に隙間無く書いてだから、この2年9ヶ月目に入るまでコツコツとシブトク書いてきたものだとオレ自身感心する。在宅で介護しながら。オレが言うのも偉そうだけれど、施設に預けながら書いているのとは断然異なる。まあ、これはオレの勝手な思いこみだけれど、このまま続けると、とんでもない量になる。
未来が見えないとも言える。
そうそう。あまりに和ちゃんのオシッコが臭ったので、デイサービス二つにカレーライスは和ちゃんに食べさせないようお願いした。カレーだと調理する側も楽でいいのだろうけれど。スミマセン。

★4月5日夜
和ちゃんのオシッコのリズムが完璧に戻った。デイサービス・さっちゃん家での排尿はなく、帰宅早々にジョジョジョーと勢いよく放った。今晩、一回くらいはパッドに出すだろうけれど、それは良し。
現在時は午後7時20分。和ちゃんは布団の中。眠ってるかな? 明日はさっちゃん家が花見で、オレも370円で弁当を注文し参加する。シッカリ写真を撮ろう。天気予報は快晴。最高気温は20度。ちょうどナイス。ただ、今もそうだけれど、着せるモノに苦労する。春モノ。買おうかな? もちろん和ちゃんのを。
さてと。落合恵子の“母に歌う子守歌・わたしの介護日誌”を半分ほど読んだ。気にはしていたのだけれど、世界の違う人間の介護日誌を読んでもなあ? という抵抗感もあって読まず終いだったのだ、けれどけれど、やはり文章が上手い。読ませる。そして、なかなか本音が覗き、図書館で借りて良かった。私は本を買いません。私の本は買ってください。キャー!!
中国新聞連載の64回を書いて送信。最終回をどう書くか悩んでいる。たぶん、この二人はいったいどうなっていくんだろう? と読者が想像するような方向にしかなりえない。ソフトランディングなど有り得ないのだから。キツイナア!!

★4月6日
BGMのMISIAのリズムが心地よい。疲労困憊だと不快音に聞こえるから不思議だ。
昨夜と一昨夜。二夜続けてそこそこ眠れたというのは思い出そうにも記憶にない。眠れた=夢を見た。ということでしか判断できないのだけれど、夢を見ないほど泥酔状態のように眠りたい。昔はそんなことばかりだったような気がする。目が覚めたら和ちゃんがオレの側で眠っていて、なぜか? 聞くと、
「あんた死にそうじゃったから。叩いても目を覚まさんのじゃもん」
ということが数え切れないほどあった。和ちゃんは優しかった。
さて、昨夜からの和ちゃん。2度のオシッコはトイレで完璧。パッドの替えの必要がなかった。ただし、微量のウンチが出始めている。
1+1=2 1+2=3 3+1=3と1 5+5=10 1−1=0
今朝、こんな回答が返ってきた。異常事態だ。
そして、元気にデイサービス・さっちゃん家へ。オレも11時には花見の現場へGO!!

★4月7日
今、汗をかきながら半袖シャツ一枚でパソコンに向かっている。和ちゃんは20分ほど前にデイサービス・さっちゃん家へ。豪快なウンコを放出しっぱなしで。
いやあ参った。和ちゃんが8日ぶりにウンコを放出。今回は前触れのチビチビがほとんどなく突然。オシッコに誘導したらウンコが顔を出していた。ただ、やはり息むことがなかなかできず軽い滴便。15分ほどでほとんどは出たと思うけど、名残がまだあるはず。しかし、もう和ちゃんの足腰の持久力がなくなった。最後はオレの布団の上でお尻の穴フキフキ。あちこち滅茶苦茶。まあ、ウンコがでたことで良しとしよう。
昨日、さっちゃん家の花見に行った。和ちゃんは不穏状態でオレに「アホウ」と言った。和ちゃんが言っているのではなくアルツハイマーが言わせているとは理解していても納得できない。猛烈に切なかった。
昨日、その事を中国新聞連載の最終回で詳しく書き送信。オレと和ちゃんの中国新聞での仕事は終わった。
オット!! オレもウンコが顔を出し始めている。

★4月7日夜
今朝のウンコ騒動でオレは疲れてしまい、一日、家にいた。といっても買い物には出る必要があり新車でコープまで走った。ママチャリの新車だけれど、NEWだから乗り心地は、風を切って走るって感じかな?
オレはここ二、三日、そこそこ眠れている。昨夜の和ちゃんは花見の疲れからか夕方の6時半から爆睡。日付が変わった4時まで、オレのトイレ誘導まで上を向いた同姿勢で眠り続けた。オレも6時半から眠れると体調も復活するのだろうけれど、そう早くから眠れない。まだ余裕があるからか?
今日、ケアマネジャーの長谷川さんから電話があった。“岡山ひだまりの里病院”のショートステイの件で、4月21日から22日にかけては空きがあるとの連絡。とりあえず保留にしてもらった。基本的には健生園のショート一本に絞りたいということ。更には、“岡山ひだまりの里病院”を利用するとなると改めてオレが一度この病院を訪ねる必要があること。かなり遠いのですね岡山市内とはいえ。この行動自体でオレが疲れてしまう。疲れる、ばかりだけれどホンマのホンマだから仕方ない。
デイサービス・さっちゃん家に電話を入れる。尿採りパッドのオシッコの臭い対策について三木さんに尋ねた。尿採りパッドを新聞紙で包み、そしてビニール袋に密閉することで臭いをかなり封じめることができるとのこと。早速に今夜からオペレーション開始。新聞紙も一枚を四等分に何枚も切ったことだし。和ちゃん、今夜も出すだろうから。

★4月8日
高校野球部時代の友人に会った。1年半ぶりか? 現在、彼は統合失調症の病と闘っているのだけれど、段々に良くなってきているのが目に見えて分かる。そして言いたいことが言える友人。良いものだ。病? 関係ない。オレも自立神経失調症。一歩先は精神科の範疇だ。
今日、岡山市内の公民館から講演依頼が入った。新刊を読んでくれてのことだ。偉そうな物言いだけれど、講演料は格段に安い。でも、本を読んでくれ、HPを確認してくれ、それでも、ということだから嬉しい。気持ちよく引き受けた。
そしてダイエー岡山店で、和ちゃんの春物パーカーを買った。ピンクの帽子も。明日、和ちゃんはまた花見に出る。楽しくしてくれれば良いのだけれど....

★4月9日
朝の陽ざしが眩しすぎるぐらいだ。和ちゃんは元気にデイサービス・さっちゃん家の三木さん運転する車で和ちゃんの学校へ。今日はまたまた上寺山でお花見。大丈夫かな? 昨日買ったパーカーを着せた。
さて、昨夜の和ちゃんのオシッコの量が半端ではなかった。昨日、デイサービス・和みのときではお帰り前に大量放尿がパッドにあったと連絡を受けていた。帰宅してからも6時15分に尿採りパッドへ150CCとトイレへジョジョジョー。日付が変わって午前2時。良く眠っているので躊躇したのだけれど、起こしてトイレへ。ズボンの背中が少し濡れている。ズボンを脱がす。パッドが重い。紙オムツも濡れている。ここでトイレに座らせオシッコ誘導すると少し出た。トイレから出て、下半身に着ていたモノを全て脱がす。温かくなったので余裕はある。だから叱ることもないけれど、起こしてから完了まで20分の時間が必要だった。こうなると、再度の眠りに突入するのが難しい。
気になるので尿量を計る。紙オムツとパッドに染みた尿は450CC。布団にも染みていた。布団を替えようかとも考えたけれど、布団を上下逆さまにしてそのまま和ちゃんを眠らせる。和ちゃんは速攻で新たな眠りへ。そして5時40分に270CC。8時にも250CC。凄かった。
ところで昨日、デイサービス・さっちゃん家と少々のやりとりがあった。オレも言うことは言う。ここの三木さんは“言うことは言う”ということではオレの比ではない。根性が違う。ただ、今回の軍配はオレに理があったと思う。ただ、ここで書き記したいのはそういうことではない。今朝、三木さんはアッケラカーーンと、
「おはようございまーす」
とやってきた。ここが彼女の彼女らしいところであり、素晴らしく尊敬できるところだ。後に尾を引かないのだ。彼女個人を見学に行くのも時間の無駄にはならないはずだ。

★4月9日夜
和ちゃんがデイサービス・さっちゃん家から送られてきて、オレが迎えに出、車のドアを開けると和ちゃんはシートベルトお構いなしに飛び出そうとしてきた。珍しい。悪い意味でなく元気がいいのだ。そのまま家に入りトイレへ。ジョジョジョー。午後2時頃に一度パッドに出していると連絡帳にあったけれど、自分から率先行動は素晴らしい。まあ、非常に珍しい行動にすぎず、これが続くとは全く思えない。でも、少し期待したいオレがいることは確か。期待は失望の始まりだよなあ!!
今日、上寺山の花見で失禁はなかったそうでヤレヤレ。楽しく過ごしたそうだ。ただ、少しの間、行方不明(迷婆)になっていたと職員の大島さんから聞かされた。
「不安だったと思います。申し訳ありませんでした」
和ちゃんは、近くで花見をしていたご家族のところにいたとのこと。そのご家族がとても親切であったことが幸いだったらしい。
行方不明は困る。とはいえ、そういう事態があったことを明確に報告してくれる姿勢が、真摯でオレは大好きだ。さっちゃん家へのオレの信頼が確実に増している。
ところで、さっちゃん家のボスである三木さんも、実は“和ちゃん”なのです。

★4月10日







現在時は10日の午前10時35分。今朝、といってもついさっきだけれど、和ちゃんを連れて散歩に出てきた。春爛漫。春に背中を押され、和ちゃんが今、どのくらい歩行できるのか? お試しでもあった。
桜の前でパチッ。とかしながらも、なんとか400メートルは休息なしで歩けた。今まで寒かったこともあり散歩は控えていたので和ちゃんの歩行能力が全く把握できなかったのだけれど、想像した以上に良かった。入れ歯を入れてないので笑顔も少々ブレ気味。
帰宅し、和ちゃんがゴロンゴロン体操を自ら始める。腹筋は強そうだ。そろそろ歩き始めようかな。
オレも皆が、やつれた、と言うので甘いモノを控えることをしなかったせいか、オレのベスト体重を1.5キロオーバー。新車の自転車の使用も押さえないと。どちらにしてもキツイなあ!!
しかし、オレの枕は汚いの限界オーバー。

★4月11日




4月10日夕刻 撮影
photo:akihiro noda

なぜ、こんな微笑みをオレに向けることができるのだろう? とても、アルツハイマー病を患っているとは思えない。こんな笑顔と接するとき、オレはスコブル嬉しい。まだまだ表情・感情は豊かなのだ。
和ちゃん。一緒にいると重くてしかたないのだけれど、オレの宝でもある。この笑顔を絶やさないためにも、オレは怒る回数を減らさないといけない。分かってはいるのだけれど....
和ちゃんが凛としている頃、こんな和ちゃんとデートしたかった、と後悔するオレがいる。

★4月11日昼
和ちゃんの排尿機能を把握するのが難しい。11日になった午前0時に尿採りパッドを替えて以降、今朝、デイサービス・和みのときに出陣する9時半までオシッコが出ず終い。ただ、パッドには濃い黄色といか、風邪を引いたときのような濃い鼻汁のようなものが付着。オシッコの穴(この表現はダメ?)からもネットリ汁のようなモノがタラリ。オレには判断不能。
で、デイサービス・和みのときの看護婦でもある北の迫さんに電話確認。たぶん、おりもの? 婦人科の範疇らしいけれど、こればかりは分からない。オレからすれば78歳になって婦人科というのもなあ? という気がしないでもないけれど、オレも前立腺機能後退? からくる頻尿モドキだし、和ちゃんはまだオンナなんだろうなあ。
さてと、まだ水を入れ替えてない風呂に入りパソコン前にいるのだけれど、風呂に入る前、あるご婦人から電話が入った。中国新聞の連載とオレの“アルツハイマーのお袋との800日”を読んでくれている方で、アルツハイマーのお母様を介護されているという。詳細は省くけれど、今度、我が家にいる和ちゃんに会いに来たいとのことで了解。我が家はオープンです。

★4月12日
今朝、和ちゃんはそこそこの元気でデイサービス・さっちゃん家へ。“そこそこ”の理由は、あまり熟睡できなかった様子。オレもそれに付き合っていたから。とにかく、目を開けているとゴソゴソとアチコチをいじるし歩くから。オレもシンドイ。
で、今朝は左脇下に青痣が。オレが一昨夜、叩いた後遺症だ。サロンパスを散布。和ちゃんはやはり痛いと訴える。一昨夜は温度差がかなりあった。深夜、一枚多く着せようとすると激しく抵抗。ガチン。
昨夜もトイレで座らない。3度のパッド交換。250CCでも紙オムツへ。となると下半身に着ているモノ全てを脱がせないといけない。この着脱に時間がかかるし、そんなことをしていると目がさえる。もういろんな事があり爆発。といってもオレの頭を柱へ頭突き。2度。オレはあまりの痛さにクラクラ。今も前頭部が痛む。前頭葉まで到達してるかも?
中年オトコの在宅介護最前線現在進行形。悲惨!! 今朝は心の後遺症より頭痛の後遺症に悩んでいる。アホなことをしたもんだ。

★4月12日夜
この日記、中国新聞連載との兼ね合い、そして新たに上梓予定本との繋がりもあり、5月の中国新聞連載終了まで日記のアップを自粛します。今回は本当にアップなしです。
和ちゃんとオレ、というよりオレ自身の内面に新たな試練が到来したことが理由です。6月1日前後。明日からも書き続ける日記をドカーンとアップする予定にしていますので、またの再訪をお待ちしています。
ご心配をお掛けしますが、メールでのご質問にお応えするつもりはありません。オレと和ちゃんを直接サポートしてくれる人たちに頼り、踏ん張りつづけるしかないのですから。

野田明宏



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